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2011-10-19 00:00
アメリカの「自由」の危機
川上 高司
拓殖大学教授
イエメンに潜んでいたアルカイダとつながりがあるとされていた精神的指導者のアンワル・アル・アウラキ(Anwar al-Awlaki)がアメリカの空爆によって殺害されたと、イエメン国防省が発表した。同時に、アルカイダのウエブ・マガジン「インスパイア」の編集者であるサリム・カーンも死亡したと報じられた。
オバマ政権はいつでもどこでもアルカイダ関連のテロリストを暗殺できると考えており、今回の空爆もその方針に沿ったものだろう。だが、今回の殺害は全く別の意味を持つ作戦だった。なぜならば、殺害された2人はアメリカ国籍を持つのである。
つまり、彼らは殺害される前に法的手続きが必要だった。それは憲法に保障されている権利である。アウラキはテロの首謀者なのか否か、容疑を捜査し裁判を経なければたとえテロリスト容疑であろうと国民に対して国家はどんな刑罰を下すこともできないはずである。
ニューヨーク・タイムズ9月30日付電子版によれば、政府高官はアウラキの殺害根拠に、「彼に洗脳されてテロリストが増える可能性が高い」ことを挙げた。だからアウラキに対する法的手続きをオバマ大統領は無視し、しかも外国で殺害した。つまり、アメリカ大統領が不都合と認めたら国民をいつでもどこでも殺害できるということに他ならない。これは思想や信条、宗教の自由を踏みにじり、法治国家の根本を揺るがすだけでなく大統領が国民の生命を左右できるというとてつもない権限拡大に通じる。テロとの戦争でアメリカ大統領の権限はどこまで拡大していくのだろうか。
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