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2011-10-14 00:00
中国の尊大さ
岡崎研究所
シンクタンク
米AEIのウェブサイト8月23日付で、同研究所Michael Auslinが、バイデン副大統領の訪中の際、中国側の態度の尊大さが目立った、中国は、強大になるにつれて国際的に横暴になって来ているが、それは米国が軍事費を削減して、アジアで弱くなるのを待っているかのようだ、と論じています。
バイデンの訪中の際のバスケットボール試合での中国側の暴行や、バイデン・習近平会談の冒頭挨拶が始まると、中国側の治安要員が力づくで外国人記者や米政府側スタッフを追払ったことなどは、相手に意図的に屈辱を与えようとしたものと考えられる、中国は国力の増大に専念して来たが、その過程で世話になって来た国際体制のルールは、今や自分たちには適用されないと思っている。あるいは、それは中国がまだ弱いことの裏返しかもしれないが、米国政府が中国を甘やかし、防衛費を削減している間に、中国は、米国を侮辱してアジアから引き揚げさせようとしているのかもしれない、と分析しています。
バイデン訪中の際のバスケットボール試合は、写真を見ても、中国側が米国側を挑発し、暴行しているのは明らかです。中国が、明らかに中国の国際的イメージを損ない、中国の国益を害するようなことをしているのは、オースリンが言っているベイジノロジー(クレムリノロジーの中国版)の理論的分析では説明がつきません。ただ、外国人に対して尊大であり、挑発的であればあるほど、「それでこそ日本人だ」という評価が与えられた、戦前の日本のことを思い出せば理解はできます。民主党の小沢代表が米国大使に対して尊大な態度をとったときは、日本のマスコミはそれを批判しましたが、戦前、松岡外相の時の外務次官の米国大使に対する尊大な態度は、「それこそ日本人」として称賛されたと言います。
尖閣における中国人船員の態度なども、上部からの指令によるというよりも、挑発的、尊大に振る舞えば、必ず背後の支持、称賛が得られるという雰囲気、またそうした中での処世術から来たものだったと推測されます。尖閣問題の後の、各種日中交流の停止も、中央からの指令によるというよりも、保身のためには日中交流は停止した方が安全だという、末端組織の自主的判断によるものが多かったと言われています。こうしたことは国際政治の本質とは関係ない話ですが、世論の国である米国や日本に与える悪印象とその影響は避けがたいものがあるでしょう。
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