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2011-10-05 00:00
抜本的医療改革
中嶋柏樹(なかしま はくじゅ)
心理学コンサルタント
歴史的に医師は「患者の為に医療の質を落せない」と歴代政府に圧力をかけて来ました。強力な圧力団体となって、診療報酬を引き上げさせ続けて来たのです。遂に小子高齢社会となり、政府は診療報酬を抑制しようとしていますが、その流れはやはり受益者負担増という方向になりそうです。
激務の勤務医が過労死になりかねない状況や、診療科目や病院の閉鎖などが頻繁に報道されています。あたかも患者負担を増額しないままにしておくのが、医療崩壊の原因になるかのような印象を与えています。救急車のたらい回しなどの報道で医療不安を煽り、消費税の税率アップを認めさせようとしているのではないかと勘ぐってしまいます。
報道によると、平均的な開業医の年収は勤務医より1千万円ぐらい多いのだそうです。そこで「勤務医は多忙だが開業医はそれほどでも無い、せめて年収を同じにすべきだ」と言うのが勤務医の言い分のようです。そもそも医師が多忙なのはその数が少ないからで、医師の数を増やさないようにして来たのも医師です。社会的地位と高所得を守るために圧力をかけ続けて、少ない数で強大な権限を独占して来たのです。他の医療従事者と比較したら一目瞭然です。
医師不足に過剰な歯科医師を流用しようとする考えがあります。技術的にも遜色なく研修で移行は可能かと思いますが、高所得が権利であるかのように考える医師が増えるだけではないかと危惧します。抜本的な医療改革を考えるなら、専門看護師に処方や検査指示など医師と同等の権限を与えることでしょう。基本が看護ですから、患者に優しい医師の役割を果たし、保健師のように僻地や離島で活躍するでしょう。
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