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2011-09-22 00:00
川柳で、ドジョウ宰相を読み解けば
杉浦 正章
政治評論家
何と言っても最近の傑作は読売時事川柳の<一煮立ち、したら税増す、ドジョウ鍋>でござろう。そのドジョウ宰相は、華々しくアメリカで外交デビューだが、復興増税が当面最大の課題。しかし同じ与党・国民新党の「寝癖の亀」から「ああいう形で決めることはあり得ない」などとつれない見通しを述べられては、立つ瀬がない。党内も、ちょっとどこかが軟化気味の税制調査会長では、まとまるものがまとまるか。9月21日も、賛成はたったの1人。「顔がよごれの幹事長」が反対論を「そんなものは永久に出る」と開き直ったとか。一煮立ちしたら、とりあえずきざみネギ山盛りで食べた方がうまいのだ。
とにもかくにも<売り家と、唐様で書く、三代目>となるかは別として、民主党は3代目を作った。与野党の大連立どころか、<民主党、大乱立は、成し遂げる>(読売)で、猫も杓子も立候補者の乱立。<飛び跳ねて、二匹日干しに、なっている>(自作)状態の中である。確かに「日干しが首相になれるなら、オレがなってもおかしくない」と、次から次によくぞ立候補したものだ。売名方法としては、コマーシャル料ウン十億円分の効果だろう。そんな中で<泥沼の、中からどじょう、顔を出し>(読売)で、ピョコっとどじょうが顔を出した。かと思ったら、<使い捨て、だもの二日で、出来上がり>(朝日川柳)だ。どうも裏には、ひさしぶりに顔を出した細川の殿様がとりもって、「ちゃぶ台返しの一郎オヤジ」とドジョウの会談があったらしい。殿も隠居してロクロを回しているかと思ったら、<殿様が、ちょこっと覗く、泥の中>(朝日川柳)で血が騒いだらしい。その殿、「政界に未練はないか」と聞かれて、<どろまみれ、いえいえロクロを、挽いてます>(朝日)のだそうだ。在職中は突然狂ったように「国民福祉税構想」とやらを言い出して、「志村けんの馬鹿殿と同じだ」などとけなされて、よほどこたえたとみえる。
こうして<逆転で、野田のどじょうが、生き返る>(朝日)とドラマチックに代表選に勝った。国民も<もう一度、騙されてみる、泥臭さ>(朝日)と観念してドジョウ宰相を見守ることにした。とにかく前・元のお二人は<草津温泉>で湯(言う)ばかりであったのう。そのドジョウも日干しになったお二人に懲りたのだろう、“逆張り”路線を選択した。所信表明で、なんとお辞儀を12回もする低姿勢だ。<ひたすらに、ドジョウが泳ぐ、低姿勢>(朝日)というわけだ。支持率も60~70%と、ご祝儀もあってか高い。しかし、株価は落ちた。<支持率の、本音が示す、株価安>(朝日)と、兜町も見るところは見ている。それにしてもこのドジョウ宰相、ぬらりくらりと逃げてばかりだ。国会会期はたったの4日で閉じようとして、ひっくり返されるし、恒例のぶら下がり取材にも応じない。側近は「当意即妙の答えが出るタイプではないから」と言い訳をする。<アドリブは、どじょうも尻尾を、出しかねず>(朝日)というわけだ。
相田みつおの「 どじょうがさ、金魚のまねすることねんだよなあ」の詩を引用して、泥臭さを演出するあたりまでは見事であったが、どうも代表選で票を獲得するために練りに練った言葉であったようだ。だから党内には<引っ張ろうにも、ドジョウには、足がない>と足を引っ張るにも、引っ張れないのだ。しかし、ちゃっかりと利用できるものは利用する。<町工場、政権浮揚に、使われる>(朝日)と円高で落ち目の町工場を視察。もっとも「利用している」と受け取られるようでは、上手の手から水が漏れる。問題は、帰国した後だ。予算委員会がきりきりと“締め上げ”ようと狙っているのだ。自らの外国人献金や増税を追及しようと、怖い怖い野党のおじさん達が手ぐすねを引いて待っているのだ。最後に、見事な川柳を披露しよう。<そのうちに、どじょう汚染と、なりて幕>(自作)。お後がよろしいようで。
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