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2011-07-04 00:00
どうすれば辞める、その「傾向と対策」
杉浦 正章
政治評論家
<クールビズ議員ますますアホの体(てい)>と、最近の朝日川柳はさえている。たしかに<ネクタイしてもアホの体>だから、外せばもっと始末が悪い。ネクタイをしなくなってから、日本の政治は本当にだらしがなくなった。首相もすぐに辞任に追い込まれる。ところが今回は、与野党のアホが集まっても、菅を降ろせない。それどころか「菅さんは敵の大きさに正比例して元気になる」と、側近が誇らしげだ。その通りに見える。周りは「敵」にびっしり囲まれ、アリの這い出る隙間も無くなったのに、敵のエネルギーを食って肥大する宇宙怪獣のように、日日元気になっている。すし→焼き肉→イタ飯と3軒はしごをして、これ見よがしに気勢を上げている。いまや自民党総裁・谷垣禎一が「まっとうな神経ではない」と述べれば、官房副長官・仙谷由人が「解散するほどまでにはおかしくなっていないと思うが」と首をかしげる。まるで異常者扱いだ。打つ手はないものだろうか。
市民が<総理より瓦礫(がれき)のほうを片づけて>と言う気持ちも分かるが、総理を片づけないと、瓦礫も片付かないのだからしょうがない。7月4日付の読売の世論調査でも、72%が8月末までの退陣を望んでいる。昔ながらの受験本ではないが「傾向と対策」を練ってみよう。まずまっとうな神経ではない相手には、まっとうな対応では無理だ。ここは攻め口を変えてみてはどうか。菅は紛れもなく「管見(かんけん)」だ。視野狭窄(きょうさく)で、管(くだ)をもって天を窺う性癖がある。ちょっとやそっとでは直らない。まず精神を鍛え直すのだ。それには高名なる禅僧に頼んで世の無常観を植え付けるのだ。「盛者必衰」で、ときめくものも必ず衰えるときが来ると教えるのだ。人生「一炊の夢」の栄華のはかなさを説いてもらうのもよい。「生者必滅、会者定離」の無情を悟らせるのだ。しかし、菅は四国遍路で坊主の説教には慣れているし、すれからしの“ペテン師”には利かないかもしれない。<だんだんとペテン師らしくなってきた>と川柳で褒められているくらいだ。
永田町のある会合では「これでは丑の刻参りしかない」という話に花が咲いた。殺したいほど憎い相手がいる場合に、その相手をワラ人形に見たてて、クギを打ち込みながら呪いをかけていくという、日本に古来からある呪術の一種である。丑の刻とは、深夜1時から3時まで。3脚の五徳を頭に逆さまにかぶり、その脚の部分にロウソクを3本立てて火をつけ、日本全国の同憂の士が、神社の杉の木に向かって金槌で五寸クギをわら人形に打ち込むのだ。ひそかに行わなければならないが、今回はテレビで同時多発を実況中継する。それを見た菅が腰を抜かして辞めるという夏の夜の怪談だ。しかし、菅が陰陽師に頼んで結界を組んで対抗したら、呪いをかけた方がやられてしまう。だから「人を呪わば穴二つ」というのが話しのオチだった。仕掛けた方も墓穴に入らねばならなくなっては仕方がない。
最後の手段が、夫人伸子による説得だ。就任1か月後に「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」という本を出版したくらいだから、「首相になって日本が本当に変わった。悪くなった」と説得して、退陣を忠告してもらうのだ。1998年に不倫が発覚したときに、何と「脇が甘いのよ!!」と怒鳴りつけたくらいだから、きっとやってくれると信じたい。現在伸子が菅に「あなた辞めることはないわよ」とかばっているからといって、決して「女子と小人とは養い難し」などと言ってはいけない。しかし、誰が菅に鈴を付ける奥さんに鈴を付けるかが難問だ。それでは究極の手段、学校のいじめのようにシカト(無視)するしかない。もっとも、無視すればするほど、「しめた」とばかりに元気が出そうだからこれも利くまい。
これでは<魑魅魍魎(ちみもうりょう)右顧左眄(うこさべん)して五里霧中>になってしまう。やはり「正解」は奇計、謀略を用いない正攻法の中にある。要するに菅は第2次補正予算案、赤字国債発行法案、再生可能エネルギー買い取り法案の「3法案をもって一定のメドとする」と公約している。「どうせ長引く」と高をくくっているに違いない。だから、その逆手を取って7月いっぱいで成立させてしまうのだ。野党も執拗に“言いがかり”をつけ続けると、民心が離れる時期に来ていると理解すべきだ。妥協して、修正してでも法案を始末すべきだ。成立させても辞めなければ「菅退陣」の「盟約」を結んだ幹事長・岡田克也、政調会長・玄葉光一郎、国会対策委員長・安住淳、参院議員会長・輿石東と官房長官・枝野幸男、官房副長官・仙谷由人の「6人組」が連快(れんぺい)辞任するのだ。早期退陣にはこれしか手はない。ここは2代続く“失政大王”を辞めさせられるかどうかで、民主党が生き延びられるかどうかの瀬戸際と心得るべきだ。それが出来なければ<永田町つけるクスリも底をつき>となる。
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