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2011-06-28 00:00
菅首相は、政治屋か、政治家か?
吉田 重信
china watcher 研究所主幹
筆者は、菅首相の政治的経綸には多々疑問を感じるものであるが、最近の管首相の打たれ強さ、粘り腰には、あきれるというよりも、むしろほとほと感心させられる。本人は「叩かれれば叩かれるほど、民主党への国民の支持率が上がり、自民党への支持率が下がる」という事実を念頭においているようだ。原発問題を解散・総選挙のイッシュに-して、「抵抗勢力」に対抗するという菅首相の姿勢は、まさにポピュリストであった、小泉首相顔負けである。ひょっとすると総選挙では、民主党が圧勝する可能性があり、自民党が怯えるのも、無理からぬことである。
菅首相がただ自らの延命だけを考える次元の低い「政治屋(POLITICIAN)」なのか、あるいは自らの信念実現のために権力確保を狙う巧みな「政治家(STATEMAN)」なのかは、今は分からない。いずれは歴史が判断するであろう。
ただ、現時点でいえることは、いかなる政治家であれ、政治家であるかぎりは、高い理想とともに、執拗さ、粘りつよさ、打たれ強さ、あるいは人の悪さなど、人格的強靭さを兼ね備えるのが望ましいと考える。歴史に名を残した政治家たちは、この両面を具現していたといえる。
この点で、国民の目からすれば、歴代の自民党出身の首相たちが、気の弱さのゆえに、たちまち政権を投げ出してしまった「ひよわさ」に比較すれば、菅首相の「したたかさ」の方が、ずっと頼もしく映るのである。「簡単にあきらめない」との菅首相の姿勢は、東北で震災にあった人々への励ましのメッセージともなりうると考える。
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