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2011-05-25 00:00
対米依存の日本と自主独立の中国
吉田 重信
china watcher 研究所主幹
河村洋氏は、昨年12月27日付の「欧米先進諸国に対する中国の根深い劣等感」と題する本欄への投稿で、「中国は自信過剰である反面、欧米諸国や日本に対して劣等感を抱いている」と指摘しておられます。それは、諸兆候からみて、紛れもない事実です。ただし、中国の対外姿勢には、以下のような別の側面があることも忘れてなりません。
1、中国は、国連加盟以来、安保理事会常任理事国の地位を引き継ぎ、第二次世界大戦の主要「戦勝国」であるとの立場にあります。その立場から、中国は、日本とドイツの常任理事国入りを拒否しています。かかる国連の「戦勝国支配=ポツダム体制」は、憲章(日本とドイツを「旧敵国」として差別する規定がある)を改正しないかぎりは、不変です。
2、建国以来中国の対外姿勢の基本は、欧米諸国や日本に対して、挑戦、対決するという姿勢です。とくに反ソと反米です。目下の中国の対ロ姿勢は緩和されているようにみえますが、それは表面に過ぎず、中国の対ロ不信感は極めて根強いことを忘れるべきではありません。このような独自路線を追求する中国の姿勢は、ドゴール大統領以来のフランス外交に似ています。目下、中国は、米国主導のTPP交渉に対抗して、中日韓間FTA構想を推進しています。
3、戦後の日本の対外政策の基本的特徴は、対米依存を主軸にして、欧米諸国に追随することにあります。この点において、自主独立を追求する中国外交との際立った違いがあります。ただし、日本も、中国と同じように欧米諸国に対して抜きがたい劣等感を持っています。さらに日本の場合は、欧米に対する劣等感の裏返しとして、中国をはじめとするアジア諸国に対して優越感ないし侮蔑感を抱いていることに問題があると考えます。最近日本における「中国脅威論」の横行はその一例にすぎません。
4、日本は、G8の創設以来そのメンバーですが、それは当時欧米諸国の「日本はアジアのNo.1」という考えを反映したものです。しかし、今では欧米諸国には「中国がアジアでNo.1」という考え方が定着しています。今後いずれはフランスが中国のG8参加を提案すると予想されているので、中国のG8参加は時間の問題であるとされています。日本の選択肢としては、むしろ中国のG8参加を積極的に推進することによって、「中国に恩を売る」ことが検討に値します。その見返りとして、中国が日本の国連安保理常任理事国入りを支持ことが期待されます。
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