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2006-06-10 00:00
連載投稿(2)戦勝国にも戦争責任はあった
吉田春樹
吉田経済産業ラボ代表取締役
この大戦では、敗戦国のみならず、戦勝国も甚大な人的、物的損害を受けました。しかし、この大戦に関しては、詳細な個別事情には触れませんが、戦勝国にも戦争責任があったと思います。しかし、中国への日本の侵略については、日本側に責任があり、中国には何の責任もありません。雨が多く、急流の多い日本には、水に流す文化があります。儒教の国中国には、一族を大切にし、祖先を敬う文化があります。中国では、日中戦争の時、日本の陸軍兵士から受けた仕打ちがいまだに語り伝えられています。多くの中国の人たちが今でも心が痛むと言っているのですから、私たち日本人は、その心を、気持ちを理解しなければならないと思います。
以下は余談になります。日本政府は広島の原子爆弾直後、中立国スイス政府を通じ、アメリカに対し、この爆弾は、不必要な苦痛を与える兵器を禁じた「ハーグ会議の陸戦の法規慣例」に反すると抗議しましたが、今日までうやむやになったままです。広島と長崎の二つの原爆で、その年だけで推計20万人が命を失いました。言うまでもなく、ほとんど一般市民です。日本の敗戦間際に日ソ中立条約を破棄して参戦したソ連は、戦争終結のどさくさにまぎれて、日本固有の領土である「北方領土」まで占領して今日まで返さないばかりか、日本が受諾して日本の降伏を決めた「ポツダム宣言」に違反して、64万人の日本人捕虜をシベリアの強制労働収容所に送り込んでしまいました。多くの人が10年以上の強制労働を強いられ、その1割近い人が異国で命を失いました。個人的なことになりますが、私の父は広島市出身で、当時、当然親族が広島に住んでいました。また、親しい知人のお父さんは、シベリアで命を失いました。
日本国内で、戦後処理があいまいであり、特に戦争責任の追求が国民自らの手でなされなかったために、「あの戦争」があいまいなものになり、多くの国民が、自らもまた戦争被害者であると考えるようになったまま今日まで来てしまいました。少し長くなりましたが、これから議論を進める際の叩き台になればと思い、私の考えを述べました。(おわり)
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