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2011-04-21 00:00
小沢、連休前にも「菅降ろし」で仕掛けか
杉浦 正章
政治評論家
「泥沼で、泥縄なうが、日課なり」(朝日川柳)と言われる首相・菅直人に対して、ついに政権内部から退陣論にくみする発言が飛び出した。財務副大臣・桜井允の菅批判は、まさに「君(きみ)臣を択(えら)ぶのみにあらず、臣もまた君を択ぶ」の風潮が、政務三役 にまで広がったことを意味する。今後小沢一郎系の副大臣にも連動してゆくものとみられる。小沢自身も、必至とみられる統一地方選挙後半戦敗北を受けて、連休前にも行動を起こす決意を固めつつあるようだ。その意味で「菅降ろし」は来週一つの山場を迎えそうだ。さすがに心療内科の医師だけあって、桜井の人物評は精神分析学の領域だ。「野党議員が大震災への対応で『このくらいは、せめて認めたらどうですか』と問いかけた際に、全部突っぱねられたら、『辞めろ』といいたくなるのも当然だ。要するに、人としてどうかということだ」と菅の国会答弁を批判、退陣論に同調した。
「こういうことをやっていたら、政権がもたなくなるんじゃないか」「内閣の一員は全部、首相が間違っていようが何しようが、『その通りですね』と言わなきゃいけないのか。私は、そうだとは思わない」とも述べた。これまでも桜井の発言は、是是非非主義で一貫している。先にマニフェストに関しても、「治療方針を決めてやって来て、間違っていると思った時も、そのまま強情にやったら、患者は悪くなる。必要なら見直すべきだ」と見直し論を述べている。問題は、今回の発言が特定のグループに属さない中間派の桜井から出たことだ。いかに民主党内に「嫌菅」「反菅」ムードが高まってきているかを物語っている。既に小沢はこうした議員らの抱き込みに動いている。4月19日には、小沢系の当選1回議員を中心に「反菅」で45人が集まったが、注目されるのは首相を支持する前原、野田両グループの議員が姿をみせたことだ。
また小沢は、20日には前原グループの若手衆院議員・仁木博文と会い「この国難に何もしないと、後世の人に何をやっていたのかと言われる」と述べたという。明らかに、小沢の動きは多数派工作であろう。小沢グループと鳩山グループに加えて、中間派が同調すれば、両院議員総会で過半数が確実となり、「菅降ろし」が可能となるのだ。また、不信任案の上程は党分裂につながり得るが、何でもありの小沢のことだ、視野には入れているとみてよい。両院議員総会と不信任案、場合によっては問責決議案にも同調する、などの多面作戦をとるものとみられる。そのきっかけが、統一地方選挙後半戦だ。民主党の不振は覆うべくもなく、前半戦に引き続いての大敗は必至だとみられる。菅に対して「前半戦に引き続いてのほおかむりは許されない」というのが、小沢の主張だ。
一方、自民党も「全議員・選挙区支部長懇談会」を26日に開き、菅政権への対決姿勢を鮮明化させる方針だ。総裁・谷垣禎一は、菅が首相である限り大連立には応じない方針を明らかにして、事実上「菅降ろし」を宣言することになろう。自民党内では「菅が辞めない以上、内閣不信任案か首相問責決議案を出さざるを得ない」との見方が支配的となっている。震災対策の第1次補正予算が成立した後に、提出することになろう。期せずして、小沢の思惑と自民党の動きは「菅降ろし」で一致しつつあるが、これが結果として“連動”しても、直接的に“連動”するかというと、自民党内の小沢アレルギーから見ても、実現は並大抵ではあるまい。また日程的に言っても、連休前の不信任や問責はきわめて難しい。しかし、小沢にしてみれば、このまま菅を連休に逃げ込ませては、「菅降ろし」が“失速”しかねない。連休後につなぐためにも、連休前に“倒閣”に向けて大きな山場を作っておく必要があるのだろう。
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