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2011-03-10 00:00
「竹島放棄」まで出ては、政権も終わりだ
杉浦 正章
政治評論家
確かに民主党政権はたがが外れた。あちこちから水が噴出している。今度は首相・菅直人の応援団長が、竹島の領有権主張中止の日韓議員連盟共同宣言に署名したのだ。首相・菅直人は火消しに懸命だが、竹島領有権放棄は民主党内左派の主張として根強く存在している。政権担当後ひた隠しにしている部分が、弱体化とともに露呈しているのだ。もう民主党政権は1年半で、十分政権としての在り方を勉強した。一度野に下り、出直した方がいい。問題を起こしたのは、菅が主宰する政策グループ代表の衆院議員・土肥隆一。「日韓キリスト教議員連盟」の日本側会長として、日本政府に竹島の領有権主張中止などを求める共同宣言に名を連ねたのだ。
共同宣言は、「日本政府は歴史教科書歪曲と独島の領有権主張により、後世に誤った歴史を教え、平和を損なおうとする試みを、直ちに中断しなければならない」と主張している。菅は9日「大変遺憾だ。竹島は日本の固有の領土で、その立場は変わらない」と不快感を表明したまでは良かったが、国家主権に関わる問題を「党がしかるべき形で対応するのが必要だ」とまたまた党に丸投げした。おそらく土肥は、共同宣言の採択が日本に伝わるとは思っていなかったに違いない。しかし、天網恢恢疎にして漏らさず、2月27日の宣言採択が10日遅れで日本に伝わった。この発言に対する批判は、野党はもちろん政権与党内からも噴出している。しかし右派から極左まで包含する「水と油政党」としては、こうした発言が出るのは何の不思議もない。元首相・安倍晋三が「国家、主権、領土に対する民主党の体質を表しており、看過できない」と述べているとおりだ。
その証拠に、衆院議員を辞職した小林千代美を後援した北海道教職員組合は、機関紙に「竹島問題は韓国の主張が正しく、島根県などが竹島の領有権を求める行為は、日本の侵略・植民地支配を正当化する不当極まりないものである」と主張している。この線に沿った学習資料を配付した書記次長は、「生徒の正しい判断を助けている」とうそぶいている。こうした体質は、菅自身の過去の行動にも現れている。国会でもたびたび取り上げられているが、北朝鮮による拉致実行犯の辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放嘆願書に署名しているのが、何よりの証拠だ。
言うまでもなく、我が国固有の領土保全は、政権担当政党のイロハのイであり、こともあろうに首相を支持するグループのトップが、他国の議員と結託して、固有の領土の領有権の主張を中止してはなるまい。もちろん対中・対露・対北をにらんで、日・米・韓の極東における安保上の連携は不可欠であるが、領土問題は別次元の問題として対処する必要がある。自民党は、3月10日、党の外交部会と領土問題に関する特命委員会の合同会議を緊急に開き、今後の国会審議で厳しく追及していくことを確認するが、当然だ。冒頭述べたように、鳩山、菅と続く民主党政権は、政権の持つ構造的な理由に起因する内政、外交上の失政、失態を繰り返しており、菅の言うように「4年間の実績をみて国民の判断を仰ぐ」などという悠長なことは言っていられない状況に立ち至った。ここは潔く野に下り、政権政党としての在り方を体得した上で、出直すのが憲政の常道ではあるまいか。
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