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2011-03-07 00:00
前原氏辞任で、政権は末期症状
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
前原氏が外相を辞任した。「ポスト菅」の一番手につけていた存在だが、在日外国人からの献金が暴露されるという、とんでもない不始末の結果だ。世間の予想よりも早い展開となったのは、それだけ重い意味合いを帯びるためだ。年5万円、4年間で20万円・・・。小沢氏の4億円土地購入問題とは比べ物にならないほどの「少額」だが、問題は献金の多寡にあるわけではない。前原氏の説明によれば、相手の女性焼き肉店主とは中学生のころからの知り合いだが、献金を受けていたとは知らなかったという。つまりは、在日外国人であることは知っていたが、自分の政治団体に献金を続けてくれていたことは知らなかったというわけだが、この説明で通用するかどうか。
故意でないのなら、収支報告の修正、返金といった対応ですむことになる。なぜ、こんなわきの甘いことをしたか。収支報告に記載されていたということは、おそらくはこういうことだろう。政治家の政治団体への献金(寄付)は年に5万円を超えると、収支報告書に記載しないといけない。こういうことを言ってはいけないのだろうが、氏名を明らかにしたくなかったら、大勢からもらったことにすればすむ。収支報告に記載したというのは、たぶんこの焼き肉店主にはきちんとした領収書を渡していたからだろう。それは、税の申告のさい寄付金控除の対象になる。申告書と収支報告のつじつまがあっていないとおかしなことになるから、収支報告は正確に記載しないといけない。
おそらくはそうした事情があったのだろうと推測する。そうだったとすれば、献金の事実を知らなかったという説明が通りにくくなる。これが5万円で外相の座から去らなければならないことになった事情だろう。こういう場合の出処進退は、早いほうがいい。その意味では、前原氏のすばやい対応は、今後の政治人生を考えれば復権への道を残すことになる。おそらくは、告発する人が出てくるだろう。これが罪に問われて確定すれば、5年間の公民権停止という重い措置が待っている。首相候補どころの話ではなくなる。
参院予算委員会でこの爆弾質問をぶつけた西田昌司氏は、前原氏と同じ京都の政治家だ。国家観が明確な保守派である。こういうかたちで重要ポストにある実力政治家が辞任するというシーンは、久々に見た思いだ。昔は社会党あたりに爆弾男などと称される人たちがいて、世間を大騒ぎさせた。西田氏は特大ホームランを打ったことになる。なにやら政権末期といってもいいような菅政権の惨状を象徴する事態である。これで解散・総選挙に追い込めなかったら、今度は自民党側で谷垣総裁の責任論が出かねない。
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