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2011-02-13 00:00
NHKはついに死んだ
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
2月12日午前1時、ついにムバラク大統領が辞任した。携帯のニュース速報を見て、テレビをつける。案の定、NHKは速報テロップがはいっただけ。CNN、BBCは「ブレイキング・ニュース」を当然ながらやっている。NHKはお笑い芸人の舞台裏をルポした番組をそのまま続けている。念のため、ほかの民放やBSを回してみたが、特番をやっているところはどこにもない。せいぜい、CSの民放系ニュース局でニュースの枠内でやっているだけだ。
この1時間半前に、エジプト当局から「重大発表がある」という声明が出ていた。この時点での重大発表となれば、ムバラク辞任しかない。NHKは特番を組もうと思えば、十分に余裕があったはずだ。それよりもなによりも、1日前からムバラク辞任の可能性が伝えられていたのである。11日午後7時のニュース。トップは目黒の老夫婦殺傷事件の犯人逮捕、次いで大雪関連。エジプト情勢はその次だった。この完全な内向き姿勢。これでいいのか。
NHKは国際的存在ではなかったのか。この歴史的瞬間で特番を組まないようでは、NHKの名が泣く。とにかく世界に通用する放送局とはいえなくなる。チュニジアに始まった「ネット革命」がアラブの盟主エジプトに及んだのである。これで中東のほかの独裁的国家の行方が一段とクローズアップされることになる。アメリカとの関係が心配だ。ムバラク退陣によって、イスラム原理主義が前面に出てくることはないのか。イスラエルはどう動くか。日本との良好な関係はどうなるのか。
中東にエネルギーを依存している日本にとって他人事ではないのだ。これだけの歴史的国際ニュースにこれだけ無関心でいられる神経が分からない。現地からの映像を流して、専門家を呼んで解説するだけでいい。特番として難しいものではない。NHKは2時過ぎ、10分間ほどのニュースを流しただけだった。ムバラク退陣の日はNHKが死んだ日として歴史に残してもいい。
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