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2011-02-10 00:00
中国にINF全廃条約への参加を求めるべし
岡崎研究所
シンクタンク
『ワシントン・ポスト』紙(1月2日付)で米 Project 2049 Institute の Mark Stokes と AEI の Dan Blumenthal が「米ロの間では新 START 条約が成立したが、真の脅威は、米国の前方展開基地や艦船を攻撃できる中国の中距離ミサイルであり、米国は中国の中距離核戦力全廃条約(INF)への参加を図るべきだ」と論じています。すなわち「中国のミサイルは、間もなくアジア太平洋におけるアメリカの前方展開基地の空軍を無能力化し、米艦船を撃沈する能力を持つようになるだろう」と述べています。
「中国は『台湾との緊張に対処するため』と言ってきたが、中台関係が改善しても軍拡を止めない。これに対しては、中国のミサイル基地を破壊する以外に対策はない。それも、中国周辺の米軍基地が破壊されることを考えると、大陸間弾道弾による必要があり、そうなると戦略核との区別は難しくなる。それに、中国のミサイルに脅威を感じたロシアも、INFからの脱退を示唆している」と述べ、「米国もこれを真剣に考えれば、INFからの脱退か、大陸間弾道弾による抑止力を考えねばならないが、第三の選択肢として中国にINF参加を求めることが考えられる」と結んでいます。
中国を核ミサイル軍縮交渉に捲きこむというのは、未だかつて試みられたことがありません。理由の一つは、1970年代初期の米中国交復活までは、中国の核ミサイル戦略は無視できる程度のものあり、それ以後の冷戦時は、中国は米国と共に反ソ陣営側にいると考えられたからでしょう。その上、中国は核ミサイル戦略を徹底的な秘匿主義の下に置き、交渉の開始すら受け付けないという姿勢できました。それを、外交課題として取り上げるというのは、外交安保上の革命とも言うべきものですが、今からでも正面から取り上げるべき価値はあると思われます
20世紀初頭の英独建艦競争でも、これを激化させたのは技術的進歩でしたが、現在、最も恐れられている事態は、中国による ASBM (西太平洋の目標地域に短時間で到着、そこから米機動部隊を索敵攻撃できる能力を持つ大陸間弾道弾)の開発であり、中国がこれに成功すると、かつての台湾海峡危機のような米空母の運用が妨げられることになります。実際にそうなるまでには、まだ時間があるようであり、その間に軍縮交渉を始めるという提案は、中国の従来の態度から見て、成功は極めて難しいでしょうが、考慮する価値は十分あるでしょう。
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