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2011-01-10 00:00
今は世界経済危機後の調整の時代だ
四条 秀雄
不動産業
日本経済の供給力にはまだ伸びる余地があると思う。しかし、需要には限界がある。日本の内需は人口減少の制限を受けているし、外需を伸ばすには対外資産を積み上げないといけない。対外資産を積み上げることは、政治的な性質の問題であり、回収債権の取立て能力つまり最終的には軍事力を含む安全保障能力の問題なのだ。自由貿易論を唱えるリベラルな経済学者は、政治を無視して頭の中のモデルだけで考えている。だいたいが学校で優秀な成績を修めた人々で、債権回収とか、経済活動が、いかに人間的で、政治的なものなのか分かっていない。そして、往々にして、政治的複雑さに行き詰ると、急進的な手法に走る。私は、4~5年前に「東アジア共同体など無意味だ。日米FTAの方が良い」と訴えていたが、現在は違う。
今は、世界中が経済危機後の調整の時代を迎えており、不満がそこら中に蓄積されている最中なのだ。「失われた20年」で日本は毎年自殺者3万人を出しながら耐えてきたが、世界は耐えられないかもしれない。世界は日本よりも状況が悪くなると予想している。私は日本人の適応能力を高く評価しているからだ。
また、われわれは新興国の成長を過大評価しているのではないだろうか?新興国の成長の理由は、米国の長期の金融緩和・ITなど通信手段の発達による英語の普及などの条件が重なり、生産設備が国境を越えて移転しやすくなったことにあると思う。しかし、中国を除けば、英語が通じる範囲の特区経済に留まっており、大きな波を生まないだろうと思う。その中国も、土地の地方政府から民間への移転(キャッシュは、反対方向に民間から地方政府へ)という一国の歴史に一度あるかないかの土地転がしが曲がり角に差し掛かっている。基本的に、一般国民が買えない状況では、この歴史的土地転がしは、うまくいかないのだ。地方政府の税収も経済の正常なフローに依存した形に移行していかないといけない。中国の土地価格は、一般国民の購買力に比べてあがりすぎているので、日本のバブル崩壊と同様に、土地本位経済のギアのバックラッシュが起きるだろう。
そんな状況下でFTAを推進するのには、問題がある。調整の負担の押し付け合いを巡って、政治的力関係が露骨に出るだろう。FTAは、自国でコントロールできる分野を無くしていく事だ。その意味を菅政権・民主党は理解していいるのだろうか?また、日本企業もいつまでも日本の市場や政府に依存するのは良くないように思う。敗戦国であり、国際政治的に弱者の日本が、日本企業の国際展開をサポートすることには限度がある。限度がある以上、日本企業が食い合うパイは限られている。日本企業の敵は日本企業なのだ。もしも日本の産業構造を一新したいのなら、トヨタのような古い巨大企業を、「いつまでも日本に依存するな」と蹴り出さなければいけないと思う。トヨタの出て行った後には、大きな空間が生まれ、ここに新しい日本企業が育つだろう。全体としては衰退するが、新陳代謝を進めるなら、トヨタのような大木を切り倒す政策を行うべきだと思う
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