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2006-05-24 00:00
実現のチャンスは今しかない!
山下美加子
大学院生
2月22日の「CEACコラム」で天児慧教授が「日米中3カ国包括戦略対話メカニズムの創造」という提案をしておられます。「柱は3つある。安全保障面では、日米安保協議の枠組みが中国を敵視せず、むしろ中国を加えて、日米中基軸のアジア太平洋地域安全保障の枠組みを目指す。経済面では、かつての日米貿易摩擦の経験を参考にして、深刻化する米中貿易摩擦、知的財産権保護問題などを考える。そして歴史認識問題では、米国を巻き込んだ議論にすることで、より客観的で権威のある合意を目指す。こうした対話の促進と相互理解の増進こそ、東アジア共同体構築にとっても不可欠の前提ではないだろうか」というものです。
これを読んで「成る程」と思っていたのですが、4月28日の「CEACコラム」で今度は村井友秀教授が「中国が短期目標(経済発展)を達成しようとしている限り、米国はもちろん日本にとっても問題はない。しかし、中国が中期目標(地域大国)を達成しようとすると、日本の国益と衝突する。ただし、地域大国になった中国が米国に挑戦しなければ、米国の国益との調整は可能であり、中国をめぐって日本と米国の国益にずれが生じる可能性がある。この段階で日米同盟はその存在意義を再確認する必要が生じるであろう。 中国が短期目標を達成しようとする段階での米中会談には、日本にとって問題になることはないが、中国が中期目標を達成しようとする段階での米中会談には、日本は十分に注意しなければならない」と指摘しているのを読むと、天児教授のいう「日米中3カ国包括戦略対話メカニズムの創造」が実現可能なチャンスというのは、中国が短期目標を追求している今しかなく、この間に3カ国間の信頼関係を構築できない場合には、中国は中期目標の達成に目標を転換し、東アジア情勢はいまよりもずっとさらに複雑で困難なものになるのではないか、と気づきました。私は間違っているでしょうか?
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