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2010-12-24 00:00
中国国内からの中国の外交政策への懸念
岡崎研究所
シンクタンク
『ウォールストリート・ジャーナル』紙11月11日付で香港科学技術大学の David Zweig 教授が「最近中国の対外姿勢がとみに強硬になり、軍の発言力も増していることについて、中国の中でも懸念が表明されている」と言っています。すなわち「最近の中国訪問で驚いたのは、中国の国際政治専門家たちが中国の挑発的言動に懸念を示していることで、彼らは、初めて、対外問題は外国の挑発でなく中国自身の振る舞いによって引き起こされていることを認めた。尖閣問題でも、船長の釈放によって中国は勝利したのに、なおも日本に謝罪を要求し、3都市で抗議デモを許したのは行き過ぎであり、さらに、3都市で同時にデモが起こった背景には、政府の関与があったのではないかと疑っている。諸外国はこうした中国をどう扱えばよいか思案しているところだろうが、中国の中でも、自国の興隆をどう扱うべきかについて懸念があり、この問題への中国政府や軍の対処に信頼を持っていない」と指摘しています。
香港のインテリの素直な印象記です。誰が見ても、最近の中国の強硬な振る舞いは常軌を逸しており、中国のインテリが懸念を持つのは当然でしょう。そうした中国の強硬姿勢の責任の一端は、オバマ米大統領にあると思われます。事実関係を追ってみると、オバマは昨年11月の最初の訪中と米中首脳会談に備えて、ダライラマとの面会、台湾への武器供与、ウィグル弾圧批判等、中国にとって痛い懸案を全て先送りにした挙句、訪中後はそれらを逐次実施しています。それに中国が反撥し、種々の交流停止などの対抗措置を取ったのが、今回の中国の強硬姿勢の発端です。
おそらくは、この1年間に中国国内で「そうら見ろ、中国が強く出れば米国は引っ込むではないか」とばかりに、タカ派が勢いを増し、それが2012年の中国共産党指導部の交代を前に、中国政治の派閥抗争に影響を及ぼし、一たん傾いたバランスが元に戻らないままの状態にあるのではないかと推測されます。
この分析が正しいとすれば、中国の対外強硬姿勢は2012年までは、(習近平による権力固めが急速に行われない限り)元に戻るきっかけをなかなか掴めないのではないと思われ、そのことが今度は米国やアジア諸国の態度、そして日本の世論に影響し、今後しばらく「中国脅威論」はアジアにおける国際政治の中心課題となるのではないかと思われます。
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