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2010-12-14 00:00
ウィキリークス情報で分かる北をめぐる米中韓日関係
田村 秀男
ジャーナリスト
北朝鮮関連を例にとると、金正日労働党総書記について北京の外務次官が「駄々っ子のようだ」と米外交官に打ち明けている。日本側の論者が、この公電情報だけを手がかりにして、北京も平壌を持て余しているかのような解説をするのは、何ともお粗末だ。中国政府の対北政策は極めて実利優先で、この駄々っ子にアメを与え、その見返りに北の鉱物資源開発利権を確保している。
菅直人政権も、外務省も、ことごとく朝鮮半島危機時での中国の調停能力に期待するが、幻想に過ぎない。暴露された米外交官の公電の情報を、中国税関が発表している中朝貿易統計と照合すれば、北が核実験やミサイル発射の実験を繰り返すたびに、中国の対北輸出が増えている。このことは、米韓とも心得ているようで、ウイキリークスの漏洩情報によれば、韓国政府筋は「北が崩壊して、南北朝鮮が統合されても、中国に北でのビジネス利権を保証すれば、北京をなだめられるだろう」と米側に語っている。
現実に、米国も金正日とその一族への金融封鎖を強めており、金王朝をじわじわと追い込む戦略を進めている。そこで、金王朝は、米国を交渉のテーブルに着かせるために、ウラン濃縮設備を誇示したり、韓国側を砲撃する。中国はその意図を汲んで、六カ国協議を提案するが、米国はその手には乗らない。
ウイキリークス情報は、北朝鮮崩壊シナリオが米韓と中国の間の最大の調整事項になっている厳しい現実と、日本の洞察力の貧困さをあらわにしている。
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