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2010-11-18 00:00
防衛事務次官通達は言論封殺か:衛藤発言に異議あり
若林 洋介
学習塾経営
11月17日の参議院予算委員会で自民党の衛藤晟一(えとう・せいいち)議員は、北沢防衛大臣に対して、10日に出された防衛事務次官通達「自衛隊の政治的中立性を保持するための通達」を取り上げて、これは「言論封殺」であると追及していたが、とんでもない勘違いだ。
自衛隊基地の施設内と言えば、一般論としては、戦車も大砲もあるということになるが、そこでどんな政治的な発言も許されるとしたなら、非常識もはなはだしい。特に、「民主党政権は早くつぶれてほしい。皆さんも心の中でそう思っているのではないでしょうか」という発言をしたとしたなら、問題としない方がどうかしている。列席者の中には、自衛隊幹部も含まれているであろうから、看過できない問題である。むしろ、国会議員が取り上げるべきは、この「航友会」会長(自衛隊後援団体)の問題発言の方であろう。
なぜか。それは「現政権をつぶす」ことができるのは、合法的な方法では、国民による総選挙であり、これが唯一の合法的・民主主義的方法であるからだ。もう一つの方法は非合法的方法である。すなわち、自衛隊によるクーデターである。戦車も大砲も戦闘機も持っている軍隊だけが、非合法的に「現政権をつぶす」ことが可能なのだ。以上のことを前提にして、はじめて自衛隊基地施設内における「政治的発言の自由は認められるべきか」が論ぜられねばならないのだ。衛藤議員の議論を聞いていると「民間人」ということの意味がまるでわかっていない。衛藤議員をはじめとして、国会議員は、しっかり近・現代史を学ばなくてはならない。
大川周明も北一輝も民間人じゃなかったのか。三島由紀夫も民間人だろう。ここで「民間人だから、自衛隊基地施設内でも、政治的発言は自由だ」ということがまかり通れば、大川周明や北一輝らが自衛隊の一支援者として「民主党政権は早くつぶれてほしい。皆さんも心の中でそう思っているのではないでしょうか。」と言っても、問題はないということになる。民間人だからこそ危険だということがわからないのだろうか。したがって、自衛隊基地施設内において「現政権はつぶれてほしい」という発言は、自衛隊員であろうが、民間人であろうが、絶対に許してはいけない発言なのだ。自民党は、この防衛事務次官通達が「言論統制」に当たるとして、北沢防衛省の問責決議案を準備中とのことであるが、とんでもない間違いだ。
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