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2006-05-18 00:00
「Think Globally, Act Locally」が常識では
斉藤欽一
会社員
4月21日の「CEACコラム」に掲載された谷口誠氏の「危機的アジア外交をいかに立て直すか(3)」について、コメントを述べたい。氏の論調には概ね賛同する者だが、ただ「アジア的価値感」の共有について「私はアジアにはアジアに根ざした、『アジア的価値観』があってもよいと考えている。アジアには多様な文化、政治、宗教、経済が混在している。それがため、他の文化、宗教に対し寛容である。このような寛容性、許容性、中庸、自助努力、自然との共生といったものが『アジア的価値観』を形作っているのではないだろうか」との論理を展開していることについてだけは、異論がある。
グローバル・ビジネスの世界では「Think Globally, Act Locally」が常識になっている。これを敷衍すれば、「思想」や「原理」は「世界的」な基準で、しかし「行動」や「応用」は「地域的」な基準で、ということである。「アジア的行動」や「アジア的応用」はあってもよいが、「思想」や「原理」となるとそれは「世界的」でなければならないということである。ユニーバーサルで分かりやすいコア・バリューを世界と共有しながら、しかしその応用はローカルな伝統や歴史を尊重しつつ、ということではあるまいか。少なくともビジネスの世界ではそれが常識になっている。両者は、矛盾するものではないし、この両方を達成しないと、グローバルなビジネスの世界では生き残れない。トヨタやソニーが日本発のグローバル企業として実践していることを、なぜ日本という国がこの地域で実行できないのか、私には納得がゆかない。
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