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2010-11-09 00:00
バックラッシュを浴びても中国は変わらない?
岡崎研究所
シンクタンク
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙9月29日付で、同紙コラムニストで米AEI日本研究主任のMichael Auslinが、「中国が周辺各地について領土権を主張するのは新しいことではないが、近隣諸国が中国に対して立ち上がるようになったのは新しい現象であり、中国がその結果生じる紛争にどう対応するかで、東アジア全体が今後10年、どの程度平和的に発展するかが決まるかもしれない」と論じています。すなわち、「中国の外交政策は、外交関係者よりもむしろ軍が動かしているようであり、そうだとすると、中国の将来に対する恐れは一層高まることになる。実際、今や対中関与策が中国の行動を変えると考える国はほとんどなくなり、米国も、既に、関与と並んでヘッジするという並行戦略を進めている。中国が高圧的態度を取り続ければ、他国は結束して中国に対抗しようとするだろう。次に尖閣諸島事件のような事件が起きた場合、中国は、退くか、正面衝突を覚悟するかの選択を迫られ、退けば、国内で民族主義的憤激が引き起こされることになろう。こうした事態が起きるのを避けることが、中国軍民指導者の最大の関心事であるべきだ」と言っています。
領土問題をめぐる中国の高圧的態度がバックラッシュを生んでいるという指摘は、その通りでしょう。オースリンは日本について、「中国は今回の対応で日本を怒らせてしまった。菅首相は、中国の圧力に屈したとして、国内で厳しく非難されている。今度同様の事件が起きたら、日本は簡単には引き下がらないかもしれない」と述べて、まさに日本にバックラッシュが起きていることを指摘しています。
その日本にとって、今回の事件は「福に転じる災い」ではなかったかと思われます。中国が威圧的態度に出る国であることを身にしみて感じた日本国民は、中国に対する正当な警戒心を持つに至り、それと同時に、米国の重要性も再認識したと思われます。また、中国への経済的依存の危険も知らされました。今後、日本政府は中国に対し、毅然とした態度を取らざるをえなくなるでしょう。
ただ、オースリンは、高圧的態度に出ることは中国のためにならないとして、中国の自重を促していますが、中国が変わりうるかどうかについては、疑問があります。一つには、オースリンも指摘している軍の影響力の高まりであり、軍は国際的反応などはあまり考慮しないと思われます。いま一つは、国粋主義的ともいえるネット世論であり、中国政府はネット世論の手前、国際的な譲歩はしにくい状況に置かれていると思われます。
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