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2010-10-21 00:00
(連載)日中両国の対応は、このままでは両敗具傷(1)
李 鋼哲
大学教授
尖閣諸島の領有をめぐって、日本に対して中国と台湾が対立姿勢をとっている。お互いに「自分の領土だ」と幾ら主張しても、問題が解決される道筋が見えなければ、建設的な対応であると見ることはできない。主張しても、問題解決の見込みがないのが、領土問題である。お互いに主張を繰り返す、そして一部の行動を伴うことは、トラブルを起こすことにしかならず、お互いの緊張関係を深め、結果的には「両敗具傷」(どちらも損する)ことにしかならない。せっかく、東アジア地域協力や共同体構築へベクトルが向かっているのに、領土問題で国家間の関係に亀裂と不信感を高めることは、賢明な行為とは言えない。
東アジアには、尖閣諸島以外にも竹島(独島)問題、北方領土問題、南沙諸島問題などたくさんの領土、領海問題があるが、これらは東アジアの近代の混乱した国際情勢の中で残された問題である。現在の国際法や二国間関係では、いずれも解決し難い問題であることは周知のことである。ならば、関係諸国はこのような問題は、なるべく冷静に処理し、仮に問題が起こっても、沈静化する方向で努力するのが本来の道筋である。
この10年間、日中韓3国は首脳会談も実現しており、来年はソウルに3カ国の国際機構(事務局)を設立することでも合意し、また日中両国間では「戦略的な互恵関係」を構築することも宣言されている。
かつて「日中平和友好条約」を締結するために、1979年に訪日した中国のトウ小平氏は「釣魚島(尖閣諸島)問題は、われわれの知恵では解決する見込みがない。棚上げしといて、次の世代に委ねれば、解決する方法が見つかるだろう」と問題解決方法を提案し、それが日中両国の暗黙の合意になっていた。それ以来、日本も中国も尖閣諸島で問題が起こったときには、なるべく沈静化する方向で対応してきた。
しかし、今度は日本側が中国側の漁船の船長や船員を逮捕し、長い間拘留してしまった。なぜなのか?ちょうどこの時期に筆者は、中国でニュースを聞き、不吉な予感を感じた。その後、北京大学であるシンポジウムがあり、中韓両国の識者が大勢参加した。日本からの参加者は筆者だけであり、会場では問題提起はなかったのだが、懇親会の場で中国や韓国の参加者たちから「日本は、なぜ中国の人を逮捕したのか?理解できない」と質問されたのだが、その場で筆者も答えに詰まってしまった。一つは、衝突事件だと言うが、真実はどうなのか分からない。今でも筆者は分からない。一民間漁船が海上保安庁の監視船にぶつかってくるとは、頭が狂ったものでなければ、論理的にあり得ない話だと思う。もうひとつは、日本が何か意図的にやったのではないかと思ったが、それらしき根拠が思いつかなかった。(つづく)
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