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2010-10-18 00:00
中国によるインド挑発と米国の対応
岡崎研究所
シンクタンク
米ヘリテージ財団の9月9日付ウェブサイトで、同財団のDean Chengと Lisa Curtisが、「最近、中印間で摩擦が拡大しているが、米国はインドの側に立ってインドを援助すべきだ」と論じています。すなわち、「中印間には現在不協和音が生じているらしく、先月、インドの北方司令官が高級中印防衛対話に出席しようとして、ヴィザの発給を拒否された。これは、国境問題やインド首相とダライラマとの会談などが原因と推測される。インド側は対抗措置として、軍事交流のための中国軍人の訪印をキャンセルしており、そうした中で、中国は従来からのパキスタン支持に益々傾斜して行っているようだ」と観察。「こうした状況において、米国政府は、協調的海上安保計画、合同軍事演習、防衛関連の通商協定等を通して、引き続き米印間の防衛協力を強化していくべきだ」と提言しています。
軍事交流の中止は、最近の中国が不快感を表明する際の常套手段となっています。元々、中国との軍事対話は、米中の場合でも、実際には会っても建前上の議論の域を出ないことが多く、「将来のより深い対話の第一歩」になることが期待されるという類のものであって、中断されても実質的な影響は伴いませんが、最近、中国はそれすら拒否する選択を多用しているようです。
おそらく中国国内でタカ派の発言力増大など、権力構造に変化があるのでしょうが、実害の無い措置なので、中国と雖も、強硬になったと言っても、まだ形だけで、本当に関係を悪化させる気はないという解釈も成り立ちます。
ただ、米国の政府や識者が「対中戦略としてインドとの関係強化に向かい始めた」という長期的傾向は明らかです。そこで問題は、中国のパキスタンへの接近をどうするのかであり、さらに、アフ・パク問題の解決のために必要不可欠な米・パキスタン関係と、米国の新たな親インド政策をどう調整するか、ということになるでしょう。
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