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2010-10-06 00:00
他国依存の前にまずは真剣な自助努力を
中山 太郎
研究所客員研究員
9月30日付けの本欄への杉浦正章氏の投稿「中国の覇権主義にどのように対抗するか」は、考えさせられた。「中国の覇権主義に対抗するには、アラブ産油国が石油を人質に取った石油危機の際と同様の対抗手段しかない。輸入先の分散、代替品の開発だ。そして何より大切のは、共産党一党独裁下の全体主義的国家への過度な経済依存の回避と、逆手を取った中国の覇権追及の実態の世界への発信であろう」との内容に、ほぼ賛成する。
現状の中国の台頭の状況の下で、「アジアの民主国家同士の関係を強化して行こう」との論述も盛んだ。しかし、過去を真剣に振り返ってみよう。他国の対中国との紛争や戦争で、日本が実際にその国をサポートしたことがあったであろうか?インドは、対中戦争の際、日本へ真剣に支援を求めてきた。日本はにべもなく断っている。ちなみに、最近ASEMの会議が開催された地の西ヨーロッパの人々は、驚くほど、東アジアの安全保障問題に鈍感である。「あれだけ聡明な人々が」と、悲しくなるほどだ。実際の場面にいないと、想像力は働かないものだ。人間の限界なのかも知れない。
友人の中国人によると、「いわゆる尖閣問題」は、中国にとり小さな問題であり、その真の狙いは台湾取りにあると言う。1949年新中国が成立し、内戦に敗れた国民党軍は、台湾へ逃げた。最後の仕上げの段階で、朝鮮戦争が勃発し、米の強力な支援で、台湾統一の悲願は阻まれてしまった。弱くなりつつある米の現状下、中国は今が好機だとと捉えている、とも述べている。きなくさい匂いが漂う状況である。北岡伸一氏が9月3日付けの『読売新聞』で、「重要なのは強い言葉ではなく、防衛政策の強化である。中国のような国に対し、力の背景のない外交は、意味がない」と述べている。日本の現状には、きつい言葉であるが、真剣に考えるべき言葉だ。
第二次大戦以降、朝鮮戦争、ベトナム戦争などから最近のイラク戦争までの多くの国際紛争に、米国が200万人以上の兵力を拠出しているのは、「そうだろうな」とうなずける。ニュージーランドは2000人以上(この数字には民間のボランテイァの人数は含まない)、フィリピンは1万8千人を出している。これに対して、我が日本は、600人(それも、皆様ご存知のように「危険地帯には近づかない」「危険とみなされる仕事はしない」という条件つきだ)だ。勿論、現場におられる日本人の方々は、日常生活自体が危険な中で憲法上の各種の厳しい制限のもとに置かれ、どれだけ苦労をされておられるか想像できるのだが。他国に国際連携を求める前に、自らの自助努力がまず必須なのだ。
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