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2006-05-16 00:00
「ムード」とのみ片づけてはならない『東アジア共同体』論議
浜崎真一郎
大学教授
吉田康彦教授が『東アジア共同体』は「夢の夢」であるとして示されている現状認識、とくに「東アジア共同体」の形成を阻む諸要因としてあげられている諸点(例えば「日本と中国が覇権争い」、「歴史認識をめぐって中韓両国は対日不信感」、「中国は共産党一党独裁体制、「経済の発展段階が異なる」、「民族、宗教、文化に共通の基盤がない」)は、いずれも厳しい現実そのものであり、直ちに反論できない性質のものばかりである。しかし、同時に、挙げられているほとんどすべてのことは、従来より再三指摘されてきている周知の事実でもある。言い換えれば、現在徐々に盛り上がってきている「東アジア共同体」論議とは、これらのハードルを百も承知で、ASEANプラス3の政府レベルやセカンド・トラックで議論されてきている論議である。
これはなぜなのかを改めて考えてみる必要がある。それはハードルや論議の有無を問わず、市場をつうじて民間ベースで、また合意をつうじて政府間ベースで一歩一歩と着実な歩みが進められているからである。たとえば、5月4日にはインドのハイデラバードでASEAN+3財務相会議が開催され、将来の域内通貨の指標となりうる「地域通貨単位」(ACU)の「構築の手順を研究する」ことが合意された。「東アジア共同体」の実現は、吉田教授のいわれるように10年以上を要するかもしれないが、「夢の夢」と言っている間に、このように関係諸国政府自体によって着実な検討が進められているのである。
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