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2010-09-28 00:00
民主党政権の外交路線を危ぶむ
中山 太郎
研究所客員研究員
9月27日付け本欄に掲載された杉浦正彰氏の「鳩山由紀夫の『普天間失政』を上回る首相・菅直人による『尖閣大失政』である。しかも戦後の日本外交にとって空前絶後の対中敗北である。すべてが民主党政権の“素人外交”に起因している。2度あることは必ず3度ある。もはや民主党政権の外交路線を信用することができなくなった」という指摘にまったく同感である。あまりにも下手な2人の民主党総理の外交。これは、自民党が政権を独占し、野党に皮膚感覚で実地に外交を学ぶ機会を与えてこなかったつけがきているのだ。
1990年代に、自民党は政権奪回のウルトラCとして、社会党の総理を持ってきた。日本のほとんどの人は知らされていないが、彼のビヘイビアーには、どれほど世界中が首を傾げたことか。就任早々のイタリアでの先進国首脳会議では、腹を壊して早々に途中で引き上げた。日本でのAPEC首脳会議に、米のクリントンは欠席を表明、続いてカナダも。米に表立って文句を言えない村山総理は、ジャン・クレティン・カナダ首相を「へんな奴だ」と非難。この言葉が、海外で翻訳されるとどうなるか、との想像力が足りなかった。当時、カナダは、日本で言えば関西地域に当たる「ケベック」で、独立の世論が非常に強かった。そんな相手の事情などかまわず、自己本位の、センスなしの外交感覚だった。これは、いまの民主党外交に当てはまる。
尖閣だが、従来の日本は、台湾漁船へは厳しかったが、中国へは寛容だった。もしその態度を急変させ、逮捕まで踏み切るのならば、それなりの覚悟がいる。どうやら、ただ日本国内向けに良い格好をしてみせたかっただけのようだ。中国は今、2012年の胡錦涛退場に向け権力闘争の真っ最中だ。あるいは、1930年代の日本のように中央の言うことを聞かない軍部の暴走だとも見られる。これは、内部の中国人でも分からないと言う。
「歴史認識」で、中国はロシアを抱き込んで、対日統一戦線をかまえてきた。一説に、使った金は80億円以上だという。鈴木宗男氏の使った金はどこに消えてしまったのか。外交は、与野党が何としても一本化して対応しなければならない案件なのだ。個人の功績を狙ってつっ走ってはいけない。第2次世界大戦末期に日本がロシアに米英との調停を期待して、右往左往したことを思い出す。あの時は、あくまで正攻法で、英米と真正面から交渉すべきだったのだ。それにつけても、この時期にフジタの社員が危険地域を写真機を構えて、うろうろしていたとは、その危機意識のなさに首をかしげる。
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