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2010-09-25 00:00
尖閣諸島問題で再認識する日米安保の重要性
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
尖閣諸島を巡って、中国が日本非難を強めている。外交部報道官の強い口調の非難の他、日本大使を深夜に呼びつけたり、日本観光誘致グループの公演中止、日本への観光団来日の中止、閣僚級対話の中止など、矢継ぎ早だ。日本のメディアは、例によって「中国政府の強硬姿勢は、国内世論向けだ(裏を返せば、政府それ自体は、本心から抗議している訳ではない」と言う論調が目立つ。そんな筈はないだろう。中国の尖閣諸島に対する関心はそんなに古いことではなく、1970年に海底石油資源が発見されてからのことで、それまでは全く関心を示していなかった。あの国の貪欲な資源外交を見れば、現に試掘井もさっさと建てていることだし、舌なめずりしながら領有権を主張していると見る方が当たるだろう。
日本は、韓国、ロシアとの間にも領土を巡る争いを抱えている。韓国については、言うところの歴史認識の問題と不可分の意識であるから、領土問題は、政府がことさらにあおらなくても、簡単に反日運動と連動する結果になる。他方、ロシアについては、あわせて60万人ともいわれる無条件降伏した日本人の兵士、民間人を理不尽にも拉致し、長きは20年にわたってシベリアその他の地域で劣悪な労働条件の下強制労働をさせた歴史的事実がある。
それが存在するかどうかは別にして、領土問題はなかなか話し合いで円満に解決するという訳には参らない。国際関係には強制力を持った司法手続きも存在しないから、一昔前なら武力による問題解決しかなかった。もっともサッチャー首相によるイギリスのフォークランド問題解決は、そんなに昔の事件ではない。だが、日本のお相手3国との間では、それは現実離れした解決方法だろう。せいぜいで毅然とした態度で海上保安庁か自衛隊のプレゼンスを露出する以外はあるまい。ロシア相手にはそれさえ出来ないというから、事実の重みというのは怖いものだ。だからこそ余計に既存の事実から退くことは出来ないことになる。
日米安保がその既存の事実の枢要な一部であることは疑いをいれない。それを忘れて米国・中国との正三角形関係を説く論調などは論外である。民主主義を採る国とそうではない国との峻別をしばらく忘れたとしても、である。
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