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2010-09-21 00:00
第二次菅内閣に国民の期待するもの
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
第二次菅内閣が成立した。前回のように鳩の糞害を受けての成立ではないが、マスコミが騒ぎ立てるように「脱」小沢・「反」小沢を引きずっての組閣だとすれば、これはまた前途楽観を許さないのかもしれない。あの愚劣としか言いようのない党首選で、世論動向にも関わらず、半数の議員が小沢を選択したという信じ難いことが起きた後だから、本来ならば一笑に付すべきこの種の話題が、いつまでも面白おかしく口の端に上ることも、有り得べしということか。それどころか、当の小沢が両院議員総会を欠席するという、まるで大人げない振る舞いに及んだのを見ると、火のないところに何とやら、と疑う人も少なくないだろう。だが、そんな馬鹿げた行動動機に血道を上げる民主党議員は、ごく例外であることを祈りたい。
というのも、民主党内閣の真骨頂は、まず何をするか、何をしないか、を決めるところにあり、その後に、そのアジェンダを「ねじれ」の中でいかに実現するか、にあるからだ。じとじとした遺恨試合などをしている時ではない。ついこの間まで、野党の民主党は「ねじれ」ていれば何でも反対だった。与党になって、「ねじれ」ていなければ何でも力づくで通してしまう、という荒っぽい対応しかしていなかった訳だから、余り偉そうなことは言えまい。それでもパーシャル連合とかなんとか、都合の良さそうなひと理屈はお持ちのようではある。だから、対応を問われるのは、むしろ野党の方だろう。旗幟を鮮明にしているみんなの党は、主張は結構なのだが、この党だけと組んだのでは過半数にならない、という天の配剤の様なところがある。数あわせではないが、渡部恒三氏いわくの「老人の集団家出」と付き合ったり、文字通りの一人芝居になって、気勢挙がらない方を取り込んだり、オプションはいろいろあるのかもしれない。
合従連衡だ、遠交近攻だ、といろいろ策はあるだろうが、やはり政策内容と方向性については、事前に明らかにしてから、妥協したり、折れ曲がったりしてほしいものだと思う。過程が解らなくて、結論だけでてきた、ということにだけはならないように願いたいものだ。いづれはやってくる総選挙のために、原理・原則にこだわって、断固譲らない、という得意技は、社民党と共産党にお任せするとして、知恵の見せ所が一番問われるのは、結構自民党ではないかと思う。民主党ほどではないにしても、この党にも結構右から左までいろいろいらっしゃるようだから、話し合ったり、妥協したりするのには、余り向いていないのかもしれないが、だからといって天に唾する様なことをしたら、結果は余りに見え見えだろう。
大連立なんて言うつまらないことだけは起こらないように。望ましいシナリオが政界再編であるにしても、その引き金が民主党分裂から始まったのでは、この非常時に日本のためにならない。安定政権を維持しつつ、ということは首相をころころ変えないで、この危機的状況をどうこなしてゆくか。それこそ菅内閣の腕の見せ所なのだが
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