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2006-05-14 00:00
黙々と縁の下の力持ちの努力をしている日本の姿
三浦 進
自営業
「百家争鳴」欄の「記事メニュー」ページで「政策本会議第12回会合:東アジアにおける非伝統的安全保障・環境分野における協力」速記録を読むことができた。日ごろ環境問題に関心がある者だが、今日は「非伝統的安全保障」という初めて耳にする分野の問題について、多くを学ぶことができた。
会合の冒頭で伊藤憲一当評議会議長が「2005年は東アジア共同体構想の最初の試練の年だった。中国で反日デモがあったし、サミットもASEANプラス3・サミットと東アジア・サミットに分裂したみたいで失速状態だ。こういうときこそ、理念の面での空回りを補って余りあるような地道な進歩を実質的な地域協力の面で強化、推進する必要がある」と、指摘されたのに、強い感銘を受けた。
「非伝統的安全保障」とは耳慣れない言葉だが、朝鮮半島や台湾海峡で二進も三進もゆかない伝統的安全保障分野とは別に、テロ、海賊、感染症、人身売買、麻薬密輸など各国共通の関心事項について共同行動を促し、地域協力の実態を少しでも前進させる試みだという。それを12月のサミット(セブ)で各国首脳に約束させるためには、その前に8月の東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)年次総会(クアラルンプール)で合意に持ち込む必要があるという。
そのために当評議会は白石隆教授を主査とする国際的作業グループを組織して、提言の裏づけとなる調査・研究を行なっているという。その報告を聴く「政策本会議第12回会合:東アジアにおける非伝統的安全保障・環境分野における協力」だったようだが、ご苦労さんの一言に尽きる。日本は何もしていないとよく言われるが、こうして黙々と縁の下の力持ちの努力をしている日本の姿もあることを知り、安心した。改めて声援を送りたい。
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