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2010-09-01 00:00
(連載)ロシアの対日戦勝記念日にどう対応すべきか(1)
袴田 茂樹
青山学院大学教授
ロシアでは最近、9月2日を戦勝記念日として国の祭日にすることに決めた。もちろん対日戦終戦の記念日だ。また、北方領土の択捉島で軍事演習も行われた。さらに、メドベージェフ大統領やラブロフ外相の対外関係に関する最近の声明は、明らかに日本を無視するものだ。北方領土での軍事演習や9月2日の戦勝記念日制定に関しては、日本政府はもっと真剣に抗議し、日本の主張を述べ、きちんと内外に声明を発すべきだ。
特に私が問題としたいのは、ロシア側のことではなく、これに対する日本政府の優柔不断な対応である。ちなみに、昨年わが国の国会で改正された「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(改正北特法)」が採択されたとき、ロシアでは政府も、議会も、マスメディアも、大々的に抗議声明を発表し、抗議決議を採択し、マスコミも大きく報道した。
日本政府としても、ロシアの不条理な対日姿勢に対しては、明確に抗議の声明を出し、不快感を国際的にも、国内的にも、もっとはっきりと表明すべきだ。わが国の対露政策を見ていて、いや、対外政策一般を見ていて、常に痛感することがある。それは、日本的な「気配り外交」ゆえに、日本自身の立場を明確に声明や行動で示していないことだ。
特に、日本の正当な立場を無視・否定されるとか、日本として到底容認できない不条理な対応を受けた場合、相手国の間違った政策をはっきり批判し、国際的にも、国内的にも、明確に不快感を示し、是正を求める必要がある。しかし、わが国の外交では、それがほとんど為されていない。あるいは、ひたすら良好な国家関係の維持を優先して、「外交ルートを通じて批判は伝えた」などといったおよそ形式的なものに終わっている。このようなアプローチは、結果的に間違ったシグナルを送ることになり、さらには日本軽視、いや日本蔑視さえ招く結果になることに気付かなければならない。(つづく)
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