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2010-07-24 00:00
右往左往、ダッチロールの民主党
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
のど元過ぎればまた能天気の復活とみえる。やっとテレビであのご尊顔とご発言を聴かずに済んで心平らかになっていたところに、前首相殿は、政界引退を撤回するのみならず、民主党きっての実力者と語らって影響力を保持なさりたいご意向のようだ。ジェット・コースターではあるまいし、引退で上昇した民主党人気が、菅さんのウソつきで再び低下したら、「乃公出ずんば」となるのでは、下げのない落語のような話になる。政権交代時のあの清々しさは何処へ行ってしまったのか。多少の素人っぽい不慣れには目をつぶるにしても、右往左往ぶりに全く信念のようなものが感じられないのは、どうしたことだろう。
愚直にスジを通しているのならば、国民は多少の試行錯誤は許す度量は持っている。それが、無定見な場当たりのパッチワークでは愛想も尽きる、いい加減にしてくれ、というのが正直なところではないか。
鼻血も出ないほどムダを征伐してからでなければしなかった筈の増税議論にのめり込む。それで人気が落ちたとなると、平謝りでうやむやにする。脱官僚の筈が、財務官僚の掌の上でかんかんのうを踊る始末だ。脱小沢でイメチェンを図ったかと思えば、選挙に負けたら取り込みを図る。
ワサビか生姜のはずだった事業仕分けが、いつの間にか主食の思い入れだ。「コンクリートから人へ」と歯切れの良い政策選択が売りだった筈が、議員歳費の日数割り給付一つをとっても、歯切れの悪い事、この上ない対応になる。みんなの党に名をなさしめるのが嫌さの選択であれば、結果は全く逆効果というべきだろう。思いつくだけでも、これだけのダッチロールだ。参院選敗戦の総括は全くお出来になっていない、とお見受けした。
総花の政策選択はあり得ない。小沢さんがなんといおうと、いまさら農家の所得補償や子供手当の満額支給に2兆円を要求している場合ではないだろう。景気には目をつぶっても、支出削減を徹底するのか。景気優先だというのなら、何と何をするのか。増税で福祉に向けての公共支出が増えれば、景気対策になるなどと、気の利いた高校生でも恥ずかしくて言えないような「経済政策」は願い下げにしたい。官僚バッシングで脱官僚気分になっていられては困る。脱官僚とは官僚の無用の口出しを封じる事だ、というのを具体的に内外に闡明する。これだけやっただけで、支持率のV字反騰は保証しても良い。
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