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2010-07-22 00:00
野党、とりあえず「菅続投」へ集中砲火
杉浦 正章
政治評論家
8月上旬の開催が確定した予算委員会は、参院選敗北を受けた首相・菅直人が続投の正統性をめぐって集中砲火を浴びる場となりそうである。菅が参院選敗北の歴代首相に浴びせたと同様の退陣論の洗礼をまず受けざるを得ないだろう。臨時国会自体は短期なため参院での問責決議採択のような事態には至らないと思うが、9月の民主党代表選挙にむけてボディブローとして作用するだろう。
小沢一郎は、先週周辺に「菅はもたない。参院で首相問責決議案が可決されたら、総理は参院に出られない」(朝日新聞)と述べたという。確かに参院選挙で大敗北をした首相は、過去の例でも辞任に追い込まれるケースが多い。橋本龍太郎は、1998年の参院選で何と今回と同じ44議席で退陣に追い込まれている。敗北の原因は、やはり消費税引き上げによる不満と減税に関する発言が二転三転したということで、今回の菅のケースと酷似している。2007年の参院選で惨敗した安倍晋三首相は、当初辞任することを拒否したものの、結局辞任に追い込まれた。菅らが「参院選挙こそ直近の民意、安倍内閣は総辞職か、衆議院解散を」と迫った結果である。
首相・菅直人が就任以来初めての予算委で、野党側がこの構図を見逃すわけがない。既に自民党総裁・谷垣禎一もみんなの党代表・渡辺喜美も即刻退陣論だ。総辞職か、解散を求めている。菅らの主張してきた“直近の民意”が政権に否定的に出たとして、政権の正統性に疑問を呈する形で退陣を求めるだろう。しかし、菅政権が成立してから2カ月で首相のクビをすげ替えることに関する民意はどうだろうか。読売の調査では、菅の続投支持が62%、反対が28%と、まだ圧倒的に続投論が根強い。朝日の民主党都道府県連幹部への一斉調査でも、8割超が続投を支持している。加えて新聞論調も、菅の消費税増税路線を支持する空気がつよい。
一方「菅はもたない」という小沢の方も、「小沢はもたない」と言われかねない側面がある。選挙責任は、小沢も問われるのであり、「政治とカネ」で検察審議会の議決が大きく足をすくう要素となりつつある。野党は、小沢の国会招致を予定している。こう見てくると、夏の臨時国会は野党が伝家の宝刀となった参院での首相問責決議案を提出して、一挙に勝負に出るのは、まだ早いという判断に至るだろう。野党共闘の足並みも乱れる恐れがあるからだ。したがって夏の臨時国会での政変の可能性は薄いだろう。やはり秋口の民主党代表選を経て、秋の本格臨時国会が主戦場となる方向だろう。
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