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2010-06-30 00:00
民主、分裂選挙の様相
杉浦 正章
政治評論家
政権党にとって国政選挙での主敵は野党のはずだが、まるで民主党内が内戦状態だ。消費税、マニフェスト、獲得議席数をめぐって、小沢一郎と党執行部が真っ向からぶつかり合って、分裂選挙を展開、収拾も取れない。有権者は一体どちらを信用していいのか分からず、票は離反する一方だろう。小沢一郎の照準は、民主不振を復権の踏み台にして、9月の代表選挙で揺さぶりをかけることにあるのだろう。場合によっては、政界再編を狙っているかもしれない。
先に「双頭選挙」と書いたが、水銀柱の上昇につれて発言のボルテージも上がり、執行部まで加わって、小沢批判の合唱だ。とりわけ幹事長・枝野幸男の発言が厳しい。小沢一郎の消費税増税批判について、「硬直的な考えをするのは、結果的に国民に迷惑をかける大衆迎合だ」と言い切った。返す刀で小沢一郎の参院選マニフェスト批判に対しては、小沢の主張で暫定税率が維持された経緯に触れ、「もうお忘れか」と皮肉った。枝野と小沢の関係は、幹事長引き継ぎがたった2分だったことが象徴しているように、前から相当悪いが、ここに来て決定的に露呈した。
その引き継ぎ会談後に、小沢は「私自身は一兵卒として、当面、参院選の勝利に向けて、少しでもお役に立てば、微力を尽くしたい」と、しおらしさを見せたものの、その行動は逆。一見15人や30人の聴衆を相手に辻説法を行っているように見えるが、それを上回る取材陣を取り巻かせているのだ。つまり、少人数の聴衆が対象ではなく、その発言が日本国中にどう伝わるかを意識しての選挙活動に他ならない。発言内容も、獲得議席数では60議席に設定し、首相・菅直人の54議席を露骨に否定。消費税では「衆院選の時も、鳩山政権になってからも、4年間は上げないと約束した。断固守るべきだ」。マニフェスト改訂については、「国民に結果としてうそをついたことになる」と最大限の批判を繰り返している。
まさに分裂選挙そのものの様相だが、小沢一郎の狙いはどこにあるのだろうか。まず自らの復権への踏み台にすることだろう。小沢一郎は与党過半数割れと踏んで、選挙後に「それ見たことか」と責任追及に出る布石を打っているのだ。消費税論議を持ち出した菅を追及してm揺さぶる図式を作ろうというわけだ。これだけ発言が厳しいと、9月の代表選挙で候補を立てて戦う姿勢とも受け取れる。また参院のねじれ現象を活用した政界再編まで考えているかも知れない。再編は、「ビョーキ」というか、「お家芸」というか、とにかく小沢は「つくっては、壊す」のが慣(ならい)性となっている。
問題なのは、この分裂選挙状態を止めに入る実力者がいないことだ。かつての自民党政権なら、大局を見る長老から「まあまあ」の声がかかるところだが、小沢と執行部の間に立てる器量のある政治家がいない。したがって、有権者は選択の基準を喪失することになる。消費税をやるのか、やらないのか、子ども手当は増額するのか、しないのか。肝心の政策で割れているからである。それなら、嘘っぽいが、はっきり言っているみんなの党にでも投票するか、ということになって来ているのではないか。
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