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2010-06-21 00:00
(連載)鳩山首相が辞めた本当の理由(1)
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
鳩山由紀夫氏が首相を辞めなくてはならなかった本当の理由について、どうもはっきりとした指摘が出ていない。メディアも識者も避けているように見える。本当のことをいってしまうと、日本政治の水準があからさまに分かってしまうからだろう。だから、こういう掲示板なら、直截的に書けるのかもしれない。鳩山氏が首相辞任に追い込まれたのは、普天間問題の迷走で社民党が連立離脱したことの責任を取ることと、「政治とカネ」の問題によるといわれている。本人もそう言っている。だが、本来、いわなくてはいけないことは、首相という一国の政治リーダーたる資格、資質、教養を決定的に欠いていたという点ではないか。
実母から毎月1500万円もらっていて、それを知らなかったという「子供手当て」の問題などは、どうでもいい。いってみれば、鳩山家がときの総理大臣を出すまでにいたったのだから、鳩山家で面倒をみてきた甲斐があったというものだ。この問題が明るみに出て、側近は「田園調布のお屋敷を売却することをお考えください」とおそるおそる進言した。母親からの贈与であることを認め、贈与税を支払うのが一番いいという判断による。
「どのくらい必要なのか」「6億円ちょっとです」「そのくらいなら、家を売らなくても大丈夫だよ」といったやりとりがあったといわれる。側近はそのあまりのあっけらかんとした物言いにのけぞったという。普通の人の感覚なら6億円といわれれば、田園調布の屋敷を売り払わなければ無理と思うのが当然だ。それがそうでなかったところに、鳩山家なるものの尋常ならざる所以がある。いってみれば、「井戸塀政治家」の極致にあったのであり、このあたりはわれら下々の人間には理解不能領域だ。
まあ、金持ちというのはいつの時代にもいるのであって、そのおぼっちゃまが首相になったのだから、「政治とカネ」の問題としてひとくくりにするのも無理がある。次元の違う世界の人たちがやったことなのだ。首相としての致命的な問題は、むしろ別のところにあった。いうまでもなく普天間問題だ。それも「県外・国外移設」という当初の公約を果たせなかった、3党連立が壊れた、といった経緯はどうでもいい。政治にウソはつきものなのであって、公約通りにいかなかったことを責め立てるのは、これまた無理がある。一番の問題は国家の統治構造をがたがたにしてしまったことだ。システムとしても意識のうえにおいても、である。(つづく)
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