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2010-05-26 00:00
「辺野古」入れずに社民慰留とは、鳩山不定見
杉浦正章
政治評論家
「辺野古の3文字で刺すわよ」と季節外れのスズメバチが部屋を飛び回って、大騒ぎの図だ。政党支持率わずか1%の社民党党首・福島瑞穂のパフォーマンスも、沖縄訪問で極まった。毒針をちらつかせながら、ちゃんと逃げ道も考えている。「3文字を入れなければ刺さない」訳だから、節操のなさでは歴代最先端を行く鳩山政権も、「得たり」とばかりに、3文字除外で決着しそうだ。今朝の朝刊は、読売新聞だけが「社民、連立離脱せず」と踏み込んでいるが、その方向が有力なのだろう。かくして日米合意には普天間の地名を入れ、対処方針には地名を入れない、という欺瞞(ぎまん)政治の面目もしっかりと守られる。
訪問を受けた沖縄県知事・仲井間弘多の表情を観察していたが、はっきり言って迷惑そうだった。象徴的だったのは、辺野古移転反対を強調する福島に、仲井間が「是非総理にも言ってください」と切り返し、福島がおたおたした図だ。知事も、沖縄にとっての死活問題を、小政党の宣伝に使われてはたまるまい。福島も、沖縄訪問の狙いはひとえに「辺野古の文字が入った合意なら、閣議決定でも、了解でも、署名はしない」の一言を公言するための大芝居であった。政府首脳と打ち合わせ済みではないか、と疑いたくさえなる。
はじめから福島の「政権離脱」発言は、未練たらたらであったのだ。衆参合わせて12議席のミニ政党が、今朝の朝日のように1面トップに報じられることは、政権に残留しているからこその存在感発揮にほかならない。一方、民主党の小沢一郎戦略にも社民党の連立離脱は想定外だろう。支持率急落で悲鳴が上がっている中で、相対的に社民党との選挙協力の比重が上がるのである。たとえミニ政党であれ、衆院比例で300万票取った社民党との選挙協力は外せまい。ただでさえ普天間問題で自治労、日教組などの票が離反しつつある。護憲勢力の票を引き止めるためにも、選挙前の政権離脱は困るのだろう。参院選は社民党の5議席ではとても過半数に足りない大敗北だろうから、連立組み直しも考慮するだろうが、選挙前はその時ではないと判断しているに違いない。
しかし、この一連の福島の言動と、これに対処する鳩山内閣の優柔不断さは、閣内不一致を白日の下にさらすものにほかならない。閣僚から「火をつけて回るのはどうかと、はっきり言って、そう思う」(経産相・直嶋正行)と強い批判が出ており、閣内は相当ぎすぎすしているのだろう。政府が日米合意では普天間に明確に言及、閣議で了承するのに、国内向けの対処方針には含めない。もともと安全保障政策で相いれない主張をボンドで貼り付けて「3党合意でござい」としただけだから、いまになって双方が「3党合意違反」と言い合う羽目になる。鳩山政権は、国家の安全保障の問題を紙風船のように軽んずる政権だ。
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