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2010-04-25 00:00
漢字システムの利点と活用の可能性
四条 秀雄
不動産業
私は以前の投稿で、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という故事成語を材料にして「認識の歪み」の危険性について書きましたが、実は、あの投稿は同時に、もう一つの意図を込めて書いていました。それは、あの故事成語は漢字文化圏の中でしか通用しないということであり、もっと言うと、三国志についての教育を受けたり、知識のある人の間でしか通用しないということです。この意図を明かすことで、私は、言語圏や文化圏の意味についても、伝えることができるだろうと思います。
つまり、自立した言語文化圏を形成するためには、同じ物語が各世代にまたがって繰り返し語り伝えられ、共有されることが必要だ、ということです。そして、その物語は豊かなプロットを蓄えて人々の印象に残り、さらに新しい知識の伝達の際に利用されることが必要だということです。また、語り継がれていく物語は、政治性のない古いものほど良いのだろうと思います。政治性のある新しい物語は、将来の存続可能性が不確実で、崩壊する可能性が十分にあります。その意味で、漢字文化圏では、春秋戦国や十八史略が、物語として共有するのに適しているのです。
人間の言葉というのは、紙面上では横や縦に流れますが、現実には、口から次々に音が出てくることで成り立っており、漢字文化圏では、その音をすぐに図像シンボルとして「視覚化」して捉まえるのが特徴です。漢字文化圏では、言葉を図像化され。漢字熟語は簡易辞書の機能さえ持っています。故事成語に至っては、物語さえ含んでいるわけです。
このような漢字システムを欧米諸語のように普及させることはできるのでしょうか?可能性はあります。というのは、日本語という実例があり、過去にはベトナムや朝鮮でも利用されていたわけですから。
日本語においては、訓読みは、漢字を大和言葉に置き換える「意味読み」であり、音読みとはシンボル読みです。熟語を訓読みで読み解いて結合すると、その語彙についてのある程度の(正確ではありませんが)意味の推測を与えてくれます。ウラル・アルタイ系の言語なら、日本語のように音訓で漢字を取り込んでしまうことが可能です。訓読みという形で、自分たちの言語文化を残しながら、漢字システムという意味伝達システムを取り入れることは可能なわけです。
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