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2010-04-23 00:00
「愚かさ」を自認した鳩山総理
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
党首討論も3回目を迎え、なかなか面白くなってきた。特に谷垣さんは、最初の頼りなげな風情から、天晴れな野党党首ぶりに変身されつつあるようだ。お相手の鳩山さんは、何と申し上げたら良いのか、最初のうちは柳に風と受け流す一種のスタイルかと思っていたのだが、どうやらあれが「地」でいらっしゃるようだ。そんななかで、にわかに「ワタシは愚かな総理」みたいな話になってきたから、いささか驚いている。
事の次第は、米紙『ワシントン・ポスト』が、鳩山総理を形容するのに「loopy」という表現を用いたところにあるようだ。これは日本人には余りなじみのない表現だが、ウェブスター辞典によれば「少しオカシイ(crazy)」「行動や思想がいささか思い込みによって混乱している」というほどの意味のようだ。まあ、少しオカシかったり、行動や思想が混乱なさっているのは、さすがに否定できない事実のようだから、それを自認されたのは結構だが、お認めになるのなら、「愚か」という表現でなくてもよかったのではないか。それとも本当に「愚か」であることを自認なさったのだろうか。
ところでこの党首討論、昼間のナマ放送を見損なうと、つまみ食いのダイジェスト以外は、インターネットによる他はない。公共放送たるNHKは、地上波や衛星合わせて5つも6つもチャンネルを持ち、朝っぱらからメジャー・リーグの野球だの、しようもないバラエティ番組をお流しになっている。せめて一つくらいを使って、われらが代議士諸公がどのような立ち居振る舞いをなさっているのか、を克明に放送されてはいかがだろうか。それが「国民の皆はん」(鳩山さんが最近「ある意味で」をお使いにならなくなったら、今度はこう聞こえてならない)の望むところではなかろうか。
ところで、党首会談は「政治とカネ」あるいは普天間に集中した感がある。もっともホットな話題に集中するのは当然だが、政策相互間の整合性という話になると、話は別だ。「こども手当」も出したい、農家の所得補償も必要、障がい者自立支援の為に自己負担はなくそう、高校無料化が望ましい、失業者対策のセーフティーネット拡充必須。あれもこれも結構な話ではあるが、全てに「イエス」といえる財政状況でないのも事実だ。とすれば政策相互間の優先順位の明確化が必要になる、のみならず、郵政官有化の是非、法人税引き下げ如何、みたいな話まで出てくると、その組み合わせが何通りになるのか。乱立小党もさることながら、政党たるもの、メリハリがどこにあるのか、何はさておいても、というのはどこにあるのか、はっきりさせる義務があるのではないか。その意味で、みんなの党の渡辺氏が協力関係は「アジェンダ次第」と述べたのは正しい。こんな当たり前のことを明確に打ち出している政党が、たったひとつしかないというのは、問題だけれど。
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