ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2010-04-01 00:00
反小沢「生方の乱」につづく「連合の乱」
杉浦正章
政治評論家
民主党政権は、首相・鳩山由紀夫の資質が問われて久しいが、今度は幹事長・小沢一郎の資質が問われ始めた。参院2人区での2人擁立方針について、連合静岡会長が「辞任を前提にせよ」と小沢にかみついたのだ。「生方の乱」に次いで、ついに蜜月状態であった連合幹部までが離反の動きだ。民主党陣営に衝撃が走っているが、根底には小沢の状況判断の甘さがある。誤判断に近いものだと思う。自らの作り出した「政治とカネ」疑惑で2人擁立の余裕など無いことが分からないのだ。
3月31日には鳩山、小沢の“資質”が相次いで問われる場面が現出した。鳩山と自民党総裁・谷垣禎一の党首討論は、谷垣が「(鳩山の)資質にかかわった質問を、私はしている」として、めずらしく的を射た質問を展開。饒舌な鳩山の答弁もあって、「資質の欠如」を浮き彫りにした。朝日新聞も社説で取り上げ、「擦り切れる首相の資質」とこき下ろした。普天間移転で鳩山は「腹案がある」と思わせぶりな発言をしたが、「千三(せんみつ)首相」の「腹案」なるものが、地元の了解を得ぬまま成案を得るか、というと疑わしい。もはや普天間問題は「机上の空論」の段階を過ぎているのだ。その一方で生じたのが「連合の乱」である。小沢が2人擁立を発表した静岡県の連合会長・吉岡秀規からの驚愕の発言だ。「民主党の支持率がここまで下がった最大の原因は、政治とカネの問題だ。その根本に小沢幹事長の問題がある」と指摘するとともに、「小沢幹事長自身が2人擁立とセットで辞職届を出していただく。それだけの覚悟があるなら真剣に向き合う」と、真っ向から切り捨てたのだ。
背景には、手足となって選挙活動をしている連合組織の実情を無視するかのような、小沢独裁への不満のマグマがうっ積していることを物語っている。小沢は京都でも当選したばかりの小沢チルドレンを参院候補にくら替えさせたが、仮にも民意を得て当選した議員を将棋の駒のようにクビを切って、参院に回すなどという独断が許されることだろうか。議員は、政党に属すると同時に、国民の代表としての人格があるのだ。小沢は「まだ政党支持率が自民党より高い」ことを2人擁立の理由に挙げているが、明らかに判断力の欠如が見られる。というのも、小沢は前回の参院選と昨年の衆院選の勝因を自らの選挙戦術にあると思い込んでいるふしがあるのだ。しかし参院選は消えた年金問題で生じた反自民の風、総選挙はやはり自民党政権への耐え難い不信が、偶然にも民主党に有利に働いたのだ。
いわば勝因は、敵失があったからにすぎない。小沢の手柄ではない。鳩山内閣支持率が発足当初の半分以下に落ち込み、政治とカネで民主党支持率が落ち込んでいる現実を理解していない。民主党支持率は参院選に向けて下がり続ける流れであり、連合幹部の危惧は至極当然な見方だ。時事通信の調査でも参院選比例代表の投票先が、民主党は2.9ポイント減の21.1%で、自民の20.5%(同2.5ポイント増)との差が一段と縮まっている。要するに、小沢は「小沢神話」を自ら信奉してしまっているのだ。年を取ると自説を曲げない意固地な爺さんになるケースが多いが、小沢にも老化現象があるとしか思えない。「生方の乱」に次ぐ「連合の乱」が持つ意味は大きく、「小沢切り」の流れへと結びつく公算が大きい。たしかに小沢と鳩山が辞めれば「2人擁立」はまだ成り立つかもしれない。それとも小沢は「辞任カード」を切ることを前提に、2人擁立を進めているのだろうか。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会