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2006-05-01 00:00
「アジア的価値観」と「普遍的価値」は対立するか
浜崎真一郎
大学教授
谷口氏は「アジア的価値観」を基盤とする「東アジア共同体」を提唱し、「アジア的価値観」の中味として「寛容性、許容性、中庸、自助努力、自然との共生」をあげておられる。谷口氏は、それでは東アジア共同体には「民主主義」、「市場経済」、「人権」といった「普遍的価値」は不要だとお考えなのだろうか。
「普遍的価値」はアジア諸国を含む世界中すべての諸国に求められている価値である。その具体的内容が日、米、欧州諸国間で多少の違いがあるのは当然であって、単にそのことによって日本さらには東アジア諸国が目指す共同体は、「普遍的価値」ではなく「アジア的価値観」を基盤とすべきであるというのは、多少飛躍があるのではないだろうか。谷口氏のあげる「アジア的価値観」の例は、アジア的美徳ないし思考方式であることは確かであるが、これらはいわゆる「普遍的価値」と何ら相反するものではなく、むしろこれを補強する関係にあるとみるのが適当ではないだろうか。
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