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2010-02-17 00:00
(連載)東アジアでも「政策共同体」が台頭(2)
進藤 榮一
筑波大学大学院名誉教授
もはやそこでは、メディアが競って取り上げる米国参加是非論は、論議の対象でない。「米国は関与すれども、干渉せず」の不文律や、日中韓の「+3」が共同体の「主要手段」で、インド、豪州などを加えた「+6」は「重要役割」を果たすとの合意が、共通了解事項だ。逆にいえば、米韓同盟や日米同盟、あるいは米台同盟や米比同盟に固執し続けるかぎり、東アジア共同体への真の展望は開かれないという共通了解事項である。それを、覇権国家がつくるグローバリズムのリスクに対処する、地域統合推進のレーゾンデートルといいかえてもよい。
「政策共同体」はいま、「アセアン+3協力基金」(原資3百万ドル)創設や、域内コメ備蓄制度の充実化を経て、もっとホットな提言を繰り出す。いわく、域内経済金融監視機関の設立、債券市場の創設強化、アジア産業大動脈、域内100の「エコシティ」設定、「アジア文化首都」の毎年持回り遷都・・。「国と国を同盟させるのではなく、人と人を結びつける」ことこそが、地域統合だ、という欧州統合の父ジャン・モネの言葉が、政策現場で実感される。
その新しいアジアの動きが、いま東アジア共同体構築を掲げた鳩山外交の展開によって力づけられている。そしていま求められるのは、いつまでも中小国家連合アセアンが、共同体構築の運転席で先導し続けるのではなく、日中韓三国が互いに協調しあって、共同体構築をすすんで主導する新しい仕組みである。2008年12月に日中韓サミットの第1回会合が大宰府で、09年11月に第2回会合が天津で、それぞれ開催された。この「北東アジア・サミット」の新しい動きが、東アジア共同体構築への新しい仕組みの始動を予兆させている。
その意味で、鳩山外交を支える日中韓3国の新しい「政策共同体」の知的営為とそこで形成される新しい東アジア共同体形成の一連の政策提言の知恵こそが、喫緊の政策課題として浮上し続けている。(おわり)
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