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2010-01-08 00:00
年頭に感じられる「東アジア共通市場」化への力強い動き
石垣 泰司
アジアアフリカ法律諮問委員会委員
東アジア共同体構想に関しては、本年も様々な論議が行われると思われるが、本構想はあくまで長期的目標であり、これに向けて1、2年で急展開がありうると予想している人は極めて少数であろう。しかし、他方、この地域の経済の実体面は、明らかに域内の統合の方向に向けて着実な動きを示しているようだ。
その第1は、12月31日ASEAN事務局が発表したところによれば、インドネシア、タイ、フィリピンなど域内6か国の関税が1月1日から撤廃されることとなり、 ベトナムなど残り4か国も加えた2015年の市場統合に向け、大きく前進したことだ。ASEAN加盟国は段階的に関税撤廃を進めてきており、1日付けで7881品目が追加された結果、全体の99・11%にあたる5万4457品目の関税がゼロとなり、平均関税率は0・05%までの低率へ低下するという。
第2は、元旦早々主要経済紙で「アジア自由貿易圏へ弾み、32億人市場、一体化進む」といった見出しの下に報じられたもので、インドとASEAN諸国のFTA、インドと韓国の経済連携協定(EPA)がともに1月1日付で発効したほか、中国と韓国もASEANとの間で大半の品目の関税を相互に撤廃し、日本とASEANのEPAも発効済みであり、ASEANを軸に約32億人の巨大市場の一体化が進むことである。インドとASEAN諸国は、テレビやプラスチック製品など貿易品目の8割について、関税を2016年末までに段階的に撤廃するという。
第3は、年頭における財界人たちの発言をみても、アジア地域の経済が統合の方向に進むことを予想し、地域の内需の形成、拡大を期待し、企業側もそれに対応するように行動し、戦略を立てていく必要がある、との点を強調するものが増えていることである。
一方、政府ベースにおける新たな格別の動きはこれまでのところみられないが、岡田外相は、1月4日トルコでのスピ-チの中で、日本の外交基本政策を説明した際、日本外交の第1課題は日米同盟の深化、第2の課題は「東アジア共同体創設を視野に入れたアジア外交の推進」であると述べ、他の「グローバルな課題へのリーダーシップ」の課題よりも高い優先順位をもって、東アジア共同体創設を視野に入れた外交に取り組みたい、との基本姿勢を域外第3国に対しても表明したという。これが単なるかけ声に終わらず、実質的フォローアップを伴うものとなるよう期待したい。
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