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2009-11-26 00:00
鳩山家あげての偽装献金で、首相窮地に
杉浦正章
政治評論家
鳩山偽装献金をめぐる流れは、秘書の在宅起訴問題にとどまらず、母親や姉も含めた鳩山家挙げての偽装献金という新たな展開を見せ始めた。首相・鳩山由紀夫は25日、母親からの献金について「ないと信じたい」と述べているが、毎月1500万、5年間で10億の資金提供を受けていながら、「知らない」が成り立つだろうか。もうずさんさを通り越して、意図的な“虚言”を繰り返しているとしか思えない。産経新聞によると、東京地検は母親の参考人聴取を検討していると言うが、国会でも関係者の証人喚問または参考人招致を行うべき段階ではないか。明らかに首相は窮地に陥っている。
鳩山の発言は、すべてを秘書の責任にすることで、弁護士と打ち合わせ済みのようだ。「親族からの資金提供はない」と、かって証言していたことに関連して、記者団に「信じていたし、今でも信じたい。私の知らないところで何が行われていたのか。私自身、大変驚いている」と述べた。明らかに“名言”「裕福な家庭に育ったので、気が付きませんでした」と同一線上の発言だ。つまり、すべてを秘書のせいにして逃げ通すという作戦である。問題は、法的にも道義的にもこの作戦が通用するかということだ。この発言には破たんが芽生えているのだ。いくら裕福な家庭に育っても、月々の事務所の会計報告くらいは説明を受けるだろう。それも毎月1500万以上の額だ。秘書は「お母様から」と説明するはずだ。絶対に気がつきませんでした、では通らない。首相は詭弁(きべん)を弄しているとしか思えない。「大変驚いている」のは、国民の方だ。
その「お母様から」の資金の違法性だが、鳩山は自分の銀行からの資金は、貸付金で言い逃れてきた。母親からの資金についても、秘書が「貸付金」であったと地検に証言している。しかし、高齢で病気を患っている母親である。普通は余命を感ずる年齢となれば、「カネは冥土に持って行かれない」という判断になる。可愛い息子の政治資金に使って、息子を首相にさせる、という悲願を達成したいに違いない。そこで貸付金を装った贈与税逃れの疑いが出てくる。生前贈与であれば、鳩山には贈与税支払いの義務が生ずる。貸付金なら返済すれば済むことになる。しかし毎月の借受証文があることが前提だ。後から作成すれば悪質な隠ぺい工作となり、すぐにばれる。また寄付であるならば、150万円を上限とする政治資金規正法の量的制限違反となる。
鳩山事務所は、姉からも「隠し献金」を受け取っていると言われ、鳩山一家挙げての偽装献金の構図が浮かび上がってきたことは間違いない。そして首相がこうした偽装献金の内実を「全く知らない」で通すことが、法的にも道義的にも可能だろうか。知っていたとすれば、政治資金規正法違反のみならず、脱税の可能性もある。首相が法律違反に問われるという未曽有の事態になる。問題は、地検がこの新展開をどうとらえるかだ。政権に配慮して秘書の「在宅起訴」程度でお茶を濁して済む問題ではなくなってきているのだ。自民党は幹部が「わが党だったらサドンデス」と漏らしているようだが、どの政権でも法と正義が問われる問題なのだ。追及をちゅうちょしているときではない。
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