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2009-10-25 00:00
(連載)羽田国際ハブ空港化問題について(4)
関山 健
東京財団研究員
羽田空港をアジアへの窓口として広く開放した場合、成田空港はどうなるのか?筆者としては、現在成田空港に就航しているアジア便の一部を羽田空港に移転させ、全体の需要を掘り起こした上で、「日本の玄関・成田、アジアへの窓口・羽田」という新たな棲み分けの下で、首都圏空港全体の効率を向上させることを目指していくべきだと考えている。
成田空港には、北京や上海などの中国各都市、バンコクやシンガポールなどの東南アジアのハブ空港、さらにインドやパキスタンなどの南アジアの主要空港など、現時点で年間約10万回のアジア便が発着している。この10万回分のアジア便の多くを、発着枠の増大や国内線からの振り分けにより国際便の発着枠が新たに増える羽田空港で受け入れ、その都心への近接アクセスという優位性を発揮してもらう方が、限られた首都圏空港発着枠の有効活用としては望ましいのではないか。さらに、羽田空港に就航するアジア便を増加させたとしても、成田空港に参入を求める国は全世界になお40国ほどあり、その重要性は低下するどころか、むしろ引き続き非常に高いというべきであろう。
このような役割を成田空港に期待することとしたときに、取り組むべきことはなんであろうか?まず、発着容量の拡大はいうまでもない。既に、成田空港株式会社(NAA)が呼びかけ、周辺自治体との間で検討会を開催し、増枠の可能性の検討が始められている。そもそも成田空港は、飛行経路が全て陸地上空となることから騒音問題による発着容量の制限がある。また、その設置に関する歴史的な経緯から空港内にも未買収地があり、滑走路と誘導路が近接していて、本来の容量を活かしきれていない。したがって、こうした点について、周辺住民等の理解が得られる方法により運航改善を行うことができれば、現在よりも発着容量を拡大する余地は残されている。
政府は、現在予定されている22万回の発着回数を30万回までは増加可能との目標を立てて検討を進めているが、本当に右の制限を撤廃することが可能となれば、管制運用の観点からみても現実的な数字であると考えられる。既に述べているように、成田空港が全世界への窓口として機能した場合に、その恩恵は日本全体に及ぶのに対して、一定の範囲の住民が深刻な騒音影響を受け入れる必要に直面するという事実を忘れてはならず、そのような視点を持って、調整や対策を見守らなければならないが、個人的にはこのような取組みが結実することを期待している。(つづく)
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