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2009-09-24 00:00
東アジア共同体構想の具体化を望む
青木聡
報道機関勤務
鳩山首相の東アジア共同体構想について、仕事の関係で調べているうちに、この掲示板を見つけたので、書き込ませていただく。鳩山首相が東アジア共同体構想を提起したことで、東アジア共同体構想に注目が集まっているが、それがいったいいかなるビジョンであるのか、鳩山首相自身具体的に語らないばかりか、その周辺の人たちも明確に示しきれていない。はっきり言って、調べれば調べるほどよくわからない。単なるキャッチフレーズの域を出ていないようだ。
ときにはキャッチフレーズも必要だとは思うが、それだけで外交を行うのは危険だと思う。戦前の大東亜共栄圏、八紘一宇など、そのいい例だ。鳩山首相は日中首脳会談で、東シナ海を「友愛の海」と呼んだが、現実に存在する東シナ海問題に目をつむり、「友愛」というキャッチフレーズでそれを誤魔化そうとするのは、現実逃避であって、外交ではないのではないか。東アジア共同体構想がそうならないないという保障はない。もし本気で提唱するのであれば、早く具体的な政策として提示して欲しい。そうでなければ、何の評価もできない。
例のニューヨークタイムズの「反米論文」なり、その元となった『VOICE』論文も、鳩山首相の唯一にして最大の外交ブレーンと言われる寺島実郎氏の影響で書かれたものといわれているが、彼の論文などを読んでも、アメリカ主導のグローバリズムへの批判以上のものがまったく見えてこない。キャッチフレーズどまりで具体策に踏み込めないのは、学者・評論家頼みの限界だろうか。
政策の具体化のためにはやはり官僚の力を借りなければならないのか。鳩山首相の秘書官の一人には、山野内勘二前北米一課長が就任している。アメリカとの関係もきちんと考え抜いた外交が展開されることを期待したい。また、政務秘書官には、自分の秘書ではなく、佐野忠克元経済産業審議官を抜擢した。異例のことだ。FTA交渉などを推進してきた佐野秘書官が首相周辺を仕切ることになる。こうした人たちがブレーンとして、どれだけ具体的な政策をインプットをしていけるかが鍵のようだ。
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