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2009-09-15 00:00
自民党総裁は、谷垣で大丈夫か?
杉浦正章
政治評論家
「えっ、谷垣で大丈夫?」が、自民党内の本音だろう。それでも「谷垣禎一本命、ダークホース石破茂・中堅若手」だそうだ。官房長官・河村建夫は「安定感があり、温厚で取りまとめ役として最適の方ではないか」と手放しの褒めようだが、「人前で泣くようなヤツで、大丈夫か」と線の細さを気にする向きも多い。確かに「加藤の乱」の時本会議で不信任票を投じようとする加藤を、「加藤先生!大将なんだから、1人で突撃なんてダメですよ!」と泣きながら慰留するシーンが、テレビで放送され話題となった。政治家は人前で泣くと減点される。加えて出馬の弁が「自分が捨て石となって、党再生を目指す」である。いかにも大時代的で暗い。ここは発言するなら「捨て身で党再生に尽くす」であろう。捨て石になっては、リーダーとして党の再生が出来ない。田中角栄が昔「政治家はえらの張ったヤツじゃないと大物になれん」と漏らしていたが、えらの張っていない福田赳夫を指していたに違いない。谷垣もえらが全然張っておらず、いわゆる知識人風の容貌だ。
谷垣の背後には、森喜朗の影が見える。森は選挙後まず舛添要一と会って、出馬しないように促した。枡添を外した理由は「タレント系を起用して、選挙の顔にすべき時ではない」と言う判断があったようだ。おまけに女性関係などを週刊誌が再び突っついたら、党のイメージダウンは著しいものがある。枡添は恐らく涙を呑んだにちがいない。むしろ都知事・石原慎太郎の後継を狙った方がいいかもしれない。 また一時は、森が押すと見えた幹事長代理・石原伸晃にも、今回は見送るようアドバイスした模様だ。しかし、森がまたまた前に出た印象が強い。まとめ役がいないから仕方がないところもあるが、過去森がかかわった総裁がことごとく失敗している。表に出れば党内外から猛反発が生じるのは必至。すべて極秘裏で進められた模様だ。
森が谷垣を押そうとしているのは、麻生太郎型政治家と全く逆のタイプであるからだ。羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹いているのである。べらんめえでもなく、誤読もせず、バーにも通わない謹厳実直型だからだ。谷垣は早くから将来を嘱望され、1996年に文藝春秋が企画した「現役政治部記者が選ぶ21世紀のリーダー」では3位に選出されているが、13年たっても首相になっていないところを見ると、政治記者の判断力もたいしたことはない。官僚から慕われ、「官僚が選ぶ次期総理になって欲しい政治家ランキング」で1位に選ばれている。経歴も申し分ないベテラン世代だ。しかしいまの自民党にとって致命的欠陥がある。押しが強くなく、優柔不断のところがあるのだ。 筆者から見ていまの自民党が必要なのは、民主党308議席の欺瞞(ぎまん)性を徹底的に追い込める攻撃力と破壊力を持った政治家である。小沢院政の下で、大軍団となった民主党を突くには、織田信長的な決断力と機を見るに敏な判断力が必要であろう。谷垣にはそれが欠けるのだ。
そつなく円満に党内などまとめているときではない。119議席が火の玉になって突撃できる体制を作ることだ。その先頭に立つには、ひ弱すぎる。谷垣では任期途中で政権奪回できるかどうか心許ない。むしろえらの張っている石破茂の方がよい。党首討論などで鳩山と谷垣では引き分けだが、石破なら勝てる。石破は立候補に前向きの姿勢を示しながらも、閣僚であるが故に控えている。今回は地方票が300票もあり、議員票200票を上回っている。地方を制するものが、総裁選挙を制する。森がいくら谷垣を押しても、総裁選の帰趨はどっちに転ぶか分からない。町村信孝は小選挙区で落選しており、たとえ立っても迫力に欠ける。型破りの河野太郎や、当選したときだけ名前を聞いたことのある小野寺五典や西村康稔は、言っては悪いが、いくら若手の支持があっても、政治経歴が乏しく、難しいのではないか。カリスマ性のある若手候補がいないのだ。
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