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2009-09-07 00:00
(連載)これは小泉選挙の裏返しだ(1)
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
長い間、政治の世界を見続けてきて、本格的な政権交代に初めて遭遇した。メディアの事前予測が出ていたから衝撃度は少なかったものの、民主300超が現実のものになるとは、この選挙戦がスタートした時点では想像もつかなかった。まあ、小選挙区制を軸とした選挙制度だから、こういうことが起きるのも、あり得ない事態ではない。カナダなどで前例はある。
国民の審判なのだから、結果は厳粛に受け止めなくてはなるまい。とはいえ、「民主党が勝った」というよりも、「自民党が自滅的敗北を喫した」というイメージのほうが強い。今回の結果は4年前の裏返しである。小泉氏が「郵政改革」の一点に焦点を絞り、「自民党をぶっ壊す」とやって圧勝したのは、いったいどういうことだったのか。その総検証を自民党は怠ってきた。そのツケが一気に噴き出した。
将来への漠たる不安が横溢する中で、民主党は「生活第一」を掲げ、「政権交代」の一点で大きな仕掛けに出た。ワンフレーズ・ポリティクスという点では、小泉氏と小沢氏の手法は同じだ。小泉チルドレンと同様の小沢チルドレンが主役となった。勝てば官軍の世界であって、「小沢ガールズ」と揶揄されようと何だろうと、選挙をしのいでしまえば、怖いものはない。政治家は選挙で負ければタダの人、とはよくいったものだ。
「鳩山政権」がスタートするわけだが、まだ現実感覚が出てこない。民主党のマニフェストは「ばらまき満載」のとんでもない代物だ。これを踏まえての政権運営がいかなるものになるのか、そこが見えてこない。だが、そんなこともこれだけの圧勝となると、すべて吹き飛ばされてしまう。だいたいが、マニフェスト選挙という掛け声の一方で、有権者はマニフェストなどまったく抜きにした投票行動に出た。鳩山氏の会見を聞いていて、国民のみなさまの「お暮らし」という表現に辟易とした。「お暮らし」である。なんでもかんでも「お」をつければいいというものではない。その「お」にポピュリズムがにじんでいる。(つづく)
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