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2009-09-03 00:00
小選挙区二大政党制は日本には向いていない
四条秀雄
不動産業
「今回の選挙で、日本にも初めて二大政党制が定着してきた。それはよいことである」と、今回の選挙結果を肯定的に受け止める向きが大方ですが、果たしてそれでよいのでしょうか。まず、二大政党制の定着は、日本にとって今回が初めての経験ではありません。戦前の日本において、われわれは既に政友会と憲政党などの二大政党制を経験しています。戦後日本の自民党による一党独裁が、日本政治の唯一の経験であるかのような観察は、あまりにも杜撰な描写でしかありません。
戦前1900年代の初期に日本では、二大政党制が実施され、しかも、小選挙区制が良いのか、大選挙区が良いのか、中選挙区が良いのかについても、あれこれと議論や試行錯誤が行われています。世界では、今回の選挙によって日本の民主主義がやっと「普通になった」という評価が専らですが、戦前の試行錯誤の経験が全く生かされていない点では、「どうしようもない選挙だった」という評価も可能です。
組織というものは、環境の激変があっても、それに耐えて生き残らなければなりません。それを可能にするのが経営能力です。小選挙区制の下での政党組織は、企業で言えば、売上高が30%まで落ちても、数年以上破綻を免れる経営能力を持つ必要があります。これに応える組織というのは、日本型の組織ではなく、アングロ・サクソン型の組織です。人材や資源を躊躇無く組み替えるシステムと、それができないシステムの違いだと言えます。日本の政党とそれを取り巻く環境で、これが可能でしょうか?
このような状態で、はたして日本の政党が国家の経営運営の能力を蓄積し伸ばすことができるでしょうか。今回の選挙の結果として、日本は小選挙区二大政党制に向かいつつあるようですが、それで日本という国家の経営に問題は生じないと言えるのでしょうか。中選挙区制による安定した一党支配や連立体制が一番日本に適していたということを、これから多くの日本人が感ずるようになるのではないでしょうか?
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