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2009-07-22 00:00
政治の流れの潮目は変わるか
花岡 信昭
ジャーナリスト
衆院が解散された。注目したのは、自民党の両院議員懇談会と代議士会だ。まず両院議員懇談会。麻生首相は最後に「ここにいる候補者全員が帰ってきてもらいたい」といった趣旨のことを述べて、声を詰まらせた。涙ぐんでいるようにも見えた。代議士会。最前列に陣取った中川秀直氏は「きょうの総理の発言はよかった。握手したい」と述べ、麻生首相とがっちり握手した。
政治は「感情と勘定の世界」と学生らに常々言っているのだが、人間のやることだから、こういうシーンが意外に見逃せない重みを持つ。政治の流れを見る場合、「潮目」という言葉が用いられる。政治というのは、ある局面でがらっと攻守入れ替わるような側面がある。これは後になってみないとわからない場合が多い。
ああ、あのときのあれが・・・、と後に気づくことがある。もしかしたら、この2つの場面が「潮目が変わった」ポイントとなるかもしれない。いずれにしろ、麻生首相のしたたかさ、たくましさがこの局面でも出た。しれっ、として難局に対応して見せる。解散の事前予告という前代未聞のことまでやった。
これによって、「麻生降ろし」は封じられた。これで、一致結束、一致団結となるのかどうか。自民党というのは、融通無碍なところがあるから、きのうまでの敵対関係が一夜にして消えるということもある。これが長期政権を可能にしてきた自民党流の「知恵」でもある。さあ、これが選挙情勢にどういう変化をもたらすか。40日間の真夏の選挙戦だ。現段階での情勢がそのまま継続するとも思えない。
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