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2009-07-21 00:00
自民党歴史的大敗の危機
杉浦正章
政治評論家
衆院は、今日7月21日に解散され、総選挙に突入する。あらゆる世論調査が自民党の歴史的大敗を予感させるものとなっている。そして民主党単独過半数の可能性も強まっている。自民党への世論の拒絶反応は“かたくな”ともいえる状況にある。焦点は、調査結果が予測しているように、自民党が再起不能と言えるほどの完膚無きまでに敗北するか、40日間の選挙戦で挽回し、負けても将来の政権交代の基礎を築けるか、にかかっている。それには実績を強調しても無意味だ。有権者は反応しない。唯一の手段はオバマ、クリントン両陣営が大統領選末期に展開したテレビやネット、新聞の全面広告を活用した“ネガティブ・キャンペーン”しかない。民主党はとっくに与党に対するネガキャンを事実上展開している。
政局に関しては音痴気味だが、元幹事長・加藤紘一は正直なところがある。週末のテレビで自らの選挙区事情について「前回の選挙で私は全国で5本の指に入った強さだったが、いまは万が一という不安を持っている。全国の情勢は、目もあてられない状況だろう」と述べたのだ。そして自民党は「150議席どころかもっと厳しい状況にある」と付け加えた。報道機関の世論調査もこれを裏付けている。比例区での投票先で、朝日が自民19%、民主42%、毎日が自民18%、民主45%、共同通信が自民15%、民主36%だ。いずれも倍以上の差をつけられている。筆者が入手している自民党の極秘調査結果も、小選挙区の自民党当選者が87~89議席、比例と合わせて130議席であった。確かに閣僚や派閥の長でさえ落選の危機であろう。
130議席の意味するものは、民主党が480議席のうち270議席か、これを上回る圧勝をすることを意味している。4年前の郵政選挙と完全に逆転するのである。そうなった場合、民主党は4年間絶対に政権を手放さないだろう。鳩山が、例えば就任早々「献金偽造」で退場しても、岡田克也に差し替えるだけだ。自民党は130議席ではまず“攻め”の政治は出来ないだろう。大スキャンダルや失政が発生して、民主党が自ら倒れるのを待つだけだろう。少なくとも200議席に接近しなければ、打ちのめされたショックで数年立ち上がれまい。この窮地を40日間の選挙キャンペーンでいかに脱するかだが、幹事長・細田博之は首相・麻生太郎の「経済実績」をしきりに強調する。しかし、有権者は聞く耳を持たないだろう。自らを褒めれば褒めるほど、意固地に反発するのが今の傾向だ。加えて後期高齢者医療制度などで、危機の時の高齢者支持による“復元バネ”を失ってしまった。その他の支持基盤も音を立てて崩れ去った中での選挙戦だ。
どうすれば失地を少しでも回復出来るかだが、これは浮動票を狙ったネガキャンしかあるまい。民主党の欠点はあらゆるところで垣間見えている。2代にわたる代表の政治資金スキャンダル、無責任きわまりない財源なしの公約、対米摩擦不可避の外交・安保政策など山積している。子供手当創設の見返りに、子供のいない家庭は増税。「次の内閣」には国旗国歌法案反対の閣僚が予定されており、親北朝鮮筋も入閣しそうだ。米大統領選挙だったら格好のキャンペーン材料となる。このままの内政・外交政策で民主党内閣が出来れば、“明治の超然内閣”“平成の愕然内閣”となりかねない。一票に「政権交代」を託す一般市民は政権が成立してから“愕然”とするケースが多いだろうが、選挙期間中に“愕然”とさせられるかどうかで、敗戦の歩留まりが決まるのだ。
それには一口で分かるキャッチフレーズとともに、テレビで映像を繰り返し放映するのが、一番分かりやすい。キャッチフレーズは民放テレビのコメンテーターらの揚げ足取りを避けられるかどうかもカギだ。加えて、ネットを使ったキャンペーンも不可欠だ。大きな選挙サイトを作り、ネガキャンを展開する。これに各候補のサイトを連動させる。もちろん掲示板やブログを活用し、双方向の議論を巻き起こす。いずれにしても、受け身の弁明選挙では票の開拓は出来ない。現段階の130議席にいかに上積み出来るかに全てがかかっている。当然民主党の選挙運動も既に、基本が政府・与党へのネガキャンであり、マニフェストもさることながら、相手をいかに否定出来るかが勝負所となる。
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