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2009-07-10 00:00
小沢、不信任案で「麻生解散」を狙う
杉浦正章
政治評論家
一見混沌としているように見えるが、せんじ詰めれば都議選後の政局は、首相・麻生太郎が「直後の解散」に踏み切るか、「鳩山疑惑」追及を完成させてからの7月28日の「会期末解散」とするか、に絞られてくるだろう。麻生の性格からいって、「政権投げ出し」の可能性は少なく、したがって総裁選挙前倒しの確率は低いだろう。民主党の戦略は、与党に内閣不信任案を否決させ、麻生の手による解散実現の一点に絞っていくだろう。もちろん寸前暗黒状態であり、何でもありではあるが。都議会といえども、一地方選挙が政局を直撃するとは、恐れ入る。民主党が直後にどう出るかだが、7月9日昼に小沢一郎を中心に岡田克也、菅直人ら首脳が集まって、独自の選挙分析に報道機関の情勢分析を加えて、戦略を練ったもようだ。
この結果、都議選情勢は、民主党が都議会第一党の座を確保する状況であり、自民党は、公明党の議席をあわせても、過半数を維持できないという流れのようだ。民主、自・公のいずれも過半数に達しない公算も強い、という情勢でもあるという。民主党が有頂天になれるものでもないようだが、マスコミは「民主圧勝」と書くだろう。これが政局にどういう影響を及ぼすかだ。小沢らは、(1)7月13日にも内閣不信任決議を提出する、(2)代表・鳩山由紀夫の参考人招致には応じず、党首討論も拒否する、という強気一点張りの基本戦略を固めたようだ。都議選勝利を背景に一気呵成に政局の主導権を握る戦略だ。ところが、小沢の狙いは「首相退陣」ではない。不信任案を与党に否決させ、麻生の手による解散を実現させるところにある。
自民党は締め付けるだろうから、造反がおきても、否決できないほどではあるまいと読んでのことだろう。否決すれば「麻生おろし」が鈍るという判断だ。可決させて総辞職されてはたまらぬというわけだ。ずる賢いというか、したたかというか、まさに小沢でなければ出来ない戦略だ。岡田や菅が思いつくわけがない。しかし、この小沢戦略には、自民党にとって「桶狭間」となり得る盲点がある。麻生が会期末解散を選択した場合、自民党は7月28日までにあらゆる手段を講じて「鳩山疑惑」を突けるからだ。自民党各派が7月9日一斉に、重要法案成立を理由に解散先延ばしを主張した真の狙いはそこにある。
まだ各派とも「麻生おろし」をターゲットにしていない。ターゲットにしても、喜ぶのは民放テレビとスポーツ紙だけで、起死回生策にはならない。町村信孝が同派の山本拓の総裁選前倒しの動きを押さえ込もうとしているのを見ても分かる。鳩山が参考人招致に応じなければ、臨時国会を開いて追及すべきだという意見が出ているが、間を置かずに臨時国会という手はないわけではないだろうが、状況次第だ。ただ、森喜朗と前参院議員会長・青木幹雄が7月9日密談しているが、その内容は不明であり、不気味だ。この時点である。相当突っ込んだ話をしたに違いない。いずれにしても元首相小泉純一郎が「こんな逆風はなく、何をやっても収まらない」と述べているように、自民党の置かれた状況は厳しさこの上ない。
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