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2009-07-07 00:00
自衛官・保安官の生命保険料私費負担はおかしい
佐藤 考一
桜美林大学教授
ソマリア海域に、海上自衛隊の護衛艦2隻が出動して、早くも3ヶ月が過ぎた。アジアと欧州・アフリカを往き来する船舶の護衛任務に当り、既にアデン湾では34回の護衛任務を終了した。8名の海上保安官を含む総勢400名の海守(うみもり)たちは、文字通り我々日本国民の誇りである。また、彼らの活動が韓国や中国の海軍との協力の芽を育てる可能性もあり、東アジア協力にとっても、プラスの効果が期待できる。
だが、ソマリア海域での船舶護衛だけでなく、日本の国土や領海でも、1年365日ずっと不発弾・不発機雷の処理や、不審船・密漁船の警備に当たっている自衛官・海上保安官の生命保険や傷害保険が、いずれも私費で賄われていることを知っている政治家や国民は、どれだけいるだろうか。政府は、6月19日に、海賊船の民間船舶への接近を阻むための船体射撃を認め、日本関係船舶だけでなく、外国船舶も護衛できる海賊対処法を成立させた。だが、その海賊対処法を運用する現場の自衛官・海上保安官への保険の適用には、十分な手当てがなされていないのである。
本件について、筆者が質問した自衛隊・海上保安庁の関係者は、「予算が少ないし、自分で選んだ職業だから」と、泣き言は言わないで頑張るという趣旨の決意を語ってくれた。だが、危険業務に従事する公務員である彼らの保険をこのままにしておくのは感心しない。国民全体のために使命感を持って働く人は、今や非常に貴重な人材である。
このような立派な志を持つ若者たちを大事にしない国家に愛国心は育たないことを、政治指導者は肝に銘じるべきである。選挙が終わったら、次の政権では危険業務に従事する公務員の保険ぐらいは公費で賄う予算をつけて欲しい。
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